site.title

サンパウロ大都市圏=貯水池で大量の魚不審死=川が緑色、500キロ緊急回収=異常乾燥や少雨で藻繁殖か

2024年9月13日

引き上げられた大量の魚の死骸(reproducao)
引き上げられた大量の魚の死骸(reproducao)

 サンパウロ州政府が11日、大サンパウロ市圏ABC地区にあるビリングス湖(貯水池)から約500キロに及ぶ魚の死骸を回収したと発表。また、サンパウロ市ピニェイロス川でも水が緑に変色するなどの問題が起きており、気候の問題による水質の問題が浮上している。12日付CNNブラジル(1)が報じている。
 魚の大量死は、11日にサンパウロ州の環境インフラ物流局が発表したことで明らかになった。それによると、先週末から大サンパウロ市圏内サンベルナルド・ド・カンポ市エストリル公園近くにあるビリングス湖で「大量の魚が死んでいる」との報告を受け、同局が観察と回収を行ったという。
 回収作業はサンパウロ水道局(Sabesp)、環境浄化技術公社(Cetesb)、メトロポリタン水エネルギー公社(Emae)、環境警察の協力を得て行われた。
 Cetesbはビリングス湖の水のサンプルを採集し、分析中だが、結果が判明するには数週間を要するという。
 ただ、ビリングス湖の水が緑色がかっていることから、幾つかの要因は既に挙げられている。最も可能性が高いのは、生活排水や肥料などを含む水の流入で栄養分が過剰になっている上に雨が降らないなどの不利な気象条件が重なり、水中の藻類が繁殖したことだ。藻類が繁殖すると水中の酸素の量が足りなくなり、魚が死亡するケースがままある。
 水の色が緑色がかる現象は他の貯水池や、ピニェイロス川など、サンパウロ市内の河川でも起こっている。ピニェイロス川の水の色の変化については今週、「川の色が緑に変色」と報道され、藻の繁殖と水の流入量減が言及されている。
 ピニェイロス川は大サンパウロ市圏内に水を供給するグアラピランガ水系とリオ・グランデ水系を中継する川で、その意味で重要な川でもある。
 このように水が緑色に変色する理由としてあげられるのは「少雨・乾燥」だ。降水量が減り、極度に乾燥すると、支流からの流入量が減って川の水位も低下するが、生活排水などの流入量は減らないため、栄養分が濃縮され、藻類が繁殖しやすくなるのだ。
 冬であるにもかかわらず、先週末から連日の猛暑が続いていることもこの状況を悪化させている。8日には今年に入って最高となる33・9度を記録。13日には35度を記録するとの予報も出されている。
 ピニェイロス川は長年、「異臭がする」などの苦情を受けてきたが、ここ数年間の水質浄化対策により改善が進み、ボート周航の企画なども行われるようになっていた。
 少雨や異常乾燥はサンパウロ市の大気汚染や林野火災増加の原因ともなっており、異常気象の影響拡大が懸念されている。


サンパウロ市=大気汚染世界一4日目に=3日目より数値は低下も前の記事 サンパウロ市=大気汚染世界一4日目に=3日目より数値は低下もサンパウロ市=PCCリーダーを逮捕=マルコーラの脱獄計画次の記事サンパウロ市=PCCリーダーを逮捕=マルコーラの脱獄計画
Loading...