サンパウロ市市長選直前世論調査=ボウロスが僅差で1位に=決選に持ち込みたいヌーネス=票の行方読みにくいマルサル

3日、サンパウロ市市長選に関する一次投票としては最後のダッタフォーリャの世論調査の結果が発表され、ギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)が1位となり、現職のリカルド・ヌーネス氏(民衆運動・MDB)とパブロ・マルサル氏(労働刷新党・PRTB)の差が縮まった。3人の差はかなり僅差の上、誤差の範囲内のため、投票日当日まで予断を許さない状態が続いている。同日付フォーリャ紙が(1)(2)報じている。
今回の調査は1〜3日に1806人に対して行われた。
1位になったのはボウロス氏で、先週行われた前回調査から支持を1%ポイントあげ、27%を獲得した。有効投票分だと29%となる。
ヌーネス市長は前回の1位から2位に下がった。支持率も前回の27%が3%P減の24%となった。逆にマルサル氏は前回より3%P支持をあげ、24%でヌーネス氏に並んだ。有効投票分だと共に26%になる。
マルサル氏は、クルツラ局での討論会でジョゼ・ルイス・ダテナ氏(民主社会党・PSDB)に椅子で殴打された事件(カデイラーダ)が起こった直後の2週間前の調査では、暴力を招く発言を行ったとして支持率を一時的に19%まで下げたが、それ以降は再び支持率を上げてきている。
今回の調査で目立つのは、ヌーネス氏とマルサル氏の票の動きだ。両氏は共にボルソナロ前大統領の支持者からの票を得ている候補で、ボルソナロ氏が直接支持しているヌーネス氏よりマルサル氏に票を入れたいとしている人たちがかねてから多かった。
今回の調査では、2022年の大統領選の決選投票でボルソナロ氏に投票した人の51%がマルサル氏、32%がヌーネス氏に入れたいと答えたことが注目されている。前回調査ではマルサル氏が43%でヌーネス氏が39%だったから、一気にマルサル氏に流れていることがうかがえる。
ダッタフォーリャは、現時点でマルサル氏の票が低くなっている要因として、「マルサル氏に入れたい」と表向きに発言することを恥ずかしがっている人がいるからではないかとの見方をしている。それは、マルサル氏に批判的な報道がメディアで相次ぎ、拒絶率が53%とかなり高いことから推論されている。
また、回答者に候補者の名前を見せないで答えさせた場合は、ボウロス氏が24%、マルサル氏が20%だったのに対し、ヌーネス氏は16%にとどまり、同氏にとっての不安材料となっている。
ヌーネス氏の場合、決選投票に持ち込めばボウロス氏に52%対37%、マルサル氏にも56%対決28%で勝つとの調査結果も出ているだけに、一次投票でマルサル氏に勝って、決選投票に持ち込みたいところだ。(3)
その他に気になるのは、残りの票の行方だ。市民の中には「まだ決めていない」という人が18%いる上、有効票で12%分を得たタバタ・アマラル氏(ブラジル社会党・PSB)、4%分のダテナ氏、3%分のマリーナ・エレナ氏(ノーヴォ)の票が流れることが考えられるからだ。タバタ氏は左派のため、支持票はボウロス氏に行くと考えられる。マリーナ氏は右派のためヌーネス氏かマルサル氏に、ダテナ氏はマルサル氏を殴った後での支持票だけにヌーネス氏かボウロス氏に行くと考えられる。