ブラジル人229人がレバノンから帰還=ブラジル政府は帰国者支援も考慮

レバノン在留のブラジル人の帰還を支援する「ライゼス・デ・セドロ作戦」第1弾に参加したブラジル空軍(FAB)の航空機が、6日午前10時26分にサンパウロ州グアルーリョス空軍基地に到着し、10人の乳児を含む229人と3匹のペットが無事帰国した。同日付エストラなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
このKC―30機到着時は、家族の帰りを待つ人々が空軍基地に集まった。教師のリマ・マーディ氏は、イスラエル軍からの激しい空爆を受けた南レバノンに滞在していた息子を待っていた。「息子はベイルートへ向かう途中、爆撃のため、14時間以上も足止めされていた。私にも電話をかけ、『家族に会えるかどうかわからない』と絶望的な声で話していた。息子だけでなく、今も現地にいる私の両親や他の家族の安否を心配している。息子は『もうレバノンはない、(私の)姉や両親たちの家も残っていない』と言っていた」と語った。
空軍基地には統一保健システム(SUS)の救急支援部隊が派遣され、緊急医療支援や予防接種の更新が行われた。また、移民手続きの円滑化のため、連邦警察や国家衛生監督庁、税関職員も現場に派遣された。
なお、6日午後2時12分には同作戦第2弾に参加する空軍機がグアルーリョス空軍基地を離陸。機内にはブラジル政府からの医療物資として、2万本の針付注射器と4千本の注射針が積まれており、7日早朝に経由地ポルトガルのリスボンに到着して給油するとベイルートへ。
ベイルート到着はブラジリア時間の10時40分で、支援物資を下した後、乳児7人を含む子供49人を含む227人とペット3匹を乗せると、現地時間の18時30分、ブラジリア時間の12時30分にベイルートを出発。リスボンで給油後、ブラジルに向かう。グアルーリョスの空軍基地到着は8日朝10時頃だ。(6)(7)
同作戦は今後も継続され、毎週約500人のブラジル人を帰国させる計画だ。
ブラジル政府は、レバノンから帰国したブラジル人を社会プログラムの「ボルサ・ファミリア」に含めることを検討しており、「カダストロ・ウニコ(CadUnico)」に登録する準備を行っている。社会開発省は、帰国者がブラジル国内に明確なつてがない場合、必要に応じて保護や支援を提供し、脆弱な状況を早期に把握すると共に、社会プログラムへの迅速なアクセスを確保する方針だという。