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中国の景気刺激策が好影響=ブラジル政府が投資誘致提案検討

2024年10月10日

ルーラ大統領(左)と習近平国家主席(右)、2023年4月14日北京(Foto: Ricardo Stuckert/PR)
ルーラ大統領(左)と習近平国家主席(右)、2023年4月14日北京(Foto: Ricardo Stuckert/PR)

 中国政府が発表した、不動産危機、内需の弱さ、デフレ圧力などの慢性的な問題に対応する一連の景気刺激策により、中国からブラジルへの資金流入が増加する見込みだという。中国企業のコモディティ需要増加はブラジルの輸出市場に好影響を与え、戦略的セクターへの投資を強化する可能性があると、9日付インヴェスチ・ニュース(1)が報じた。
 中国の中銀にあたる人民銀行は、2024年に年間5%の経済成長目標を達成できない可能性を懸念し、9月24日に融資促進、不動産部門の債務削減、金利引き下げに焦点を当てた最初の景気刺激策を発表した。
 この対策は、2840億米ドルに達する可能性のある財政政策と結びつくと予想されている。正式に発表されれば、この刺激策は中国のGDPを0・4%ポイント押し上げる潜在力を持ち、2008年の金融危機以来最大の経済支援策となる可能性がある。
 専門家によれば、中国とブラジルの戦略的セクターにおける通商関係の規模を考えると、このような大規模刺激策はブラジルに好影響を及ぼすという。これらの刺激策は、両国関係をさらに強化し、貿易の成長や直接投資の拡大に寄与する可能性があり、近年は減少していたブラジルへの資本流入の回復も招くと見られている。
 2023年の中国からのブラジルへの直接投資は直近の15年間で2番目に低い17・3億米ドルで、最多だった2010年の130億米ドルには遠く及ばない。
 一方で、23年におけるブラジルの対中取引は非常に大きく、貿易収支は512億米ドルの黒字を記録し、黒字額全体の52・2%を占めた。中国向けのブラジル製品の輸出額は同年の輸出総額の30%以上を占め、史上初めて、1カ国による購入額が1千億米ドルを超えた。
 ブラジルにおける対中輸出の74%は、大豆、石油、鉄鉱石が占めており、刺激策によって中国でのコモディティ消費が増えれば、ブラジルからの輸出にも好影響を及ぼすと見られている。
 コモディティ市場は中国の景気刺激策発表に即座に反応し、鉄鉱石価格は9月30日に11%以上上昇。10月7日までの累積上昇率は19・8%に達した。中国での消費増加は国際コモディティ価格の維持に役立つと期待されており、これによりブラジル輸出業者も恩恵を受けると考えられる。専門家は、これらの刺激策が直接投資の増加や貿易の成長を促し、短期的な効果だけではなく、長期的にもブラジル経済に重要な好影響をもたらす可能性があると指摘した。
 9月27日付同紙(2)によると、ブラジル政府は11月に予定される習近平国家主席のブラジル訪問を前に、中国からの投資を引き付けるための独自の提案を策定中で、そのモデルはブラジルのニーズに合致しなければならないという。中国は相手国に投資と同時に労働者も送り込む「一帯一路」契約を求めるのが常だが、ブラジル政府はブラジルの労働法や環境法などを考慮したものにする必要があるとの考えを強調している。
 ブラジルが中国その他の国からの投資を呼び込みたい分野は、産業発展や南米統合などだ。一方、中国側は南米における戦略的な利害関係構築を願っている。習主席は昨年のルーラ大統領の北京訪問時に、ブラジル訪問は具体的な合意締結をもって終えたいと伝えたとされている。


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