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エスタード紙=12万レ使ってわずか8票=選挙基金の不正使用疑惑

2024年10月16日

疑惑候補最多で、市長選でも512人が当選したPLのヴァルデマル・ダ・コスタ・ネット党首(14日付エスタード紙の記事の一部)
疑惑候補最多で、市長選でも512人が当選したPLのヴァルデマル・ダ・コスタ・ネット党首(14日付エスタード紙の記事の一部)

 14日付エスタード紙(1)が、統一地方選では選挙基金や政党基金から多額の金を受け取りながら、僅かな得票に終わり、「ラランジャ」と呼ばれ得る名前だけの候補者が2771人いたと報じた。
 ピアウイ州で市議選に出たフランシスカ・アルヴェス・フェイトザ氏(登録名シカ・フェイトザ、進歩党・PP)はその一例だ。PP同州支部は8月30日、同氏に選挙基金(キャンペーン用財政特別基金)から12万レアル(以下、レ)を払った。同氏はその後、イベント開催費に4万1700レ、広告費に1万8千レ、車両レンタル費に6千レを使用したという報告書を選挙高裁に提出したが、第一次投票で得たのは僅か8票。同氏は1票あたり1万5千レの公的資金を使ったが、有権者への活動は不十分だったことを示す。
 エスタード紙は選挙裁判所のデータから、フェイトザ氏同様、選挙基金や政党基金から受け取った金が1票あたり1千レ以上だが、得票数は100以下だった候補者が26州に2771人いたことを確認。これらの候補者が受け取った公的資金は計5470万レだが、得票数は計3万886で、当選者ゼロ。投票者1人あたり1771・83レの公的資金が水泡に帰した。2771人中2087人は女性だった。州別の候補者上位3州はバイア236人、リオ162人、アマゾナス156人だ。
 また、SNSに写真を掲載したりはしたが、選挙活動はほとんど行っていない候補者もいた。一例はアマパー州サンタナの市議選に出馬したケリー・グルジャン氏(自由党・PL)で、8万5千レを受け取り、4万9200レを使ったが、得票数は1票。リオ州サンジョアン・ド・メリチの市議選に出たクラウジア・ベンガリイ氏は10万レを受け取り、選挙裁判所が命じた旗やシール、ステッカーなどで6万2200レを使って12票を得たが、SNS上では候補者による選挙活動さえ報告されていない。
 政党別では、PL361人、社会民主党(PSD)321人、PP316人と続くが、政党州支部単位だと、バイア州PP43人、バイア州PSD40人、セアラ―州PSD39人、アマゾナス州民主運動(MDB)34人、ピアウイ州MDB33人と続く。
 疑惑候補が多い政党は今回選挙での市長ランキングと部分的に一致しており、PSDは882人が市長に当選。従来1位のMDBの856人を上回った。PPは748人が市長に当選した。
 選挙後に残った資金は返金する必要があるが、偽の領収証を使って残りの資金を着服したり、市議候補が受け取った資金を市長候補の選挙活動に使うのも違法行為となる。この方法を使うと、市長候補は規制額以上を選挙活動に使うことができ、他の候補より有利になるからだ。
 今回選挙で最も高価な票は、マナウス市市議候補のフラヴィオ・タデウ・トマス・デ・アラウジョ氏で、公的資金15万レ中、6千レと4千レを法律上と会計上のアドバイスとコンサルティングに使ったが、2票しか得ていない。
 市長選と市議選の関係は今後の調査待ちだが、115人が市長に当選したバイア州PSDでは疑惑市議候補が40人いた。内訳は褐色30人、黒人8人、女性39人で、28人は得票数が20以下。これら40人は選挙基金から193万レを受け取ったが、得票数は906。1票あたり2千レ超が使われた計算となる。
 11日付アジェンシア・ブラジル(2)によれば、選挙法で定めた女性候補は30%以上という条件が満たされていなかった市は700ある。過去の選挙同様、形を整えるために無理に女性候補を立てて公的資金を払った可能性もありそうだ。


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