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HIV臓器移植=経費削減で手抜き検査=上司の指示で意図的に

2024年10月17日

疑惑が表面化して閉鎖されたPCSラボ・サレメ(© Fernando Frazão/Agência Brasil)
疑惑が表面化して閉鎖されたPCSラボ・サレメ(© Fernando Frazão/Agência Brasil)

 【既報関連】リオ州ノヴァ・イグアス市の民間研究所PCSラボ・サレメが、臓器提供者2人の血清学的検査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染はないという診断書を出した後、二人の臓器を移植された患者6人がHIVに感染したことが明かされた事件で、PCSが経費削減のために検査の質を落としたことなどが判明した。
 臓器移植を受けた患者がHIVに感染したことをメディアが報じたのは11日で、PCSはその日の内に閉鎖された。また、その後の捜査で、PCSでのHIVへの感染検査は保健省や国家衛生監督庁(Anvisa)が定めた基準に沿っていなかったことが判明した。PCSが経費削減のために検査の質を落としたことは、14日に逮捕された技師が証言している。
 14日付G1サイトなど(1)(2)(3)によると、市警は14日、逮捕令状4件、家宅捜査令状11件を得てヴェルム作戦を遂行。PCSの共同経営者兼技術主任のワルテル・ヴィエイラ氏と、技師のイヴァニルソン・フェルナンデス・ドス・サントス氏を逮捕した。診断書に署名が使われた生物学医で管理部門助手のジャケリネ・イリス・バセラル・デ・アシス氏は15日に警察に出頭、逮捕されたが、技師のクレベル・デ・オリヴェイラ・ドス・サントス氏は逃亡中だ。
 市警は14日にPCSが経費削減のために検査の質を落としたと語ったが、イヴァニルソン技師は事情聴取の中で、23年12月までは検査ミスを避けるための血清学的な品質管理が毎日行われていたが、年頭からは毎週になったと証言。同氏によると、試薬が分析機に長時間放置されると劣化するため、検査の結果の確実性を保証するためには毎日の品質管理が必要だが、アドリアナ・ヴァルガス氏がコーディネートと担当するようになってからは毎週になったという。この変更は高価な試薬の使用量を減らし、経費を削減するために指示されたとも語った。事実なら、診断キット購入記録が提出されなかった理由も説明がつく(14日付G1サイトなど(4)(5)(6)参照)。
 他方、PCSは15日に逮捕されたアシス氏に関し、生物医学の卒業証書と病理学の資格を有することを示す専門家カードを提示し、報告書に署名する能力があると信じ込ませたとしていた。だが、アシス氏の弁護士は、同氏は連邦薬局審議会に登録されているが、生物医学医の資格を示す証書は提出しておらず、生物医学医として働いてもいなかったとして、彼女はPCSの被害者としている(15日付アジェンシア・ブラジル(7)(8)参照)。
 他方、PSCは、ワルテル・ヴィエイラ氏が警察でHIV検査2件の結果転記で人為的ミスがあった証拠があると供述したという声明も出し、同氏が速やかに釈放されると確信していると記載。もう一人の共同経営者のマテウス・サレス・テイシェイラ・バンドリ・ヴィエイラ氏は自主的に警察に出頭したが、釈放されたとも述べている(14日付アジェンシア・ブラジル(9)参照)。
 なお、PCSに関しては、出産時に受けたHIV検査で擬陽性となり、新生児が28日間、抗レトロウイルス薬を服用させられるという例も報告されている(14日付G1サイト(10)参照)。


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