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HIV臓器移植=保健省は1カ月前に認知=省令見直しなどは報道後

2024年10月18日

保健省(© Valter Campanato/Agência Brasil)
保健省(© Valter Campanato/Agência Brasil)

 【既報関連】リオ州ノヴァ・イグアスの民間研究所PCSラボ・サレメが行った臓器提供者のヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染検査が偽陰性だったため、臓器移植を受け、HIVに感染した患者がいたことを保健省は1カ月前から知っていたことが明らかになった。
 15日付CNNブラジルなど(1)(2)によると、保健省が臓器移植によるHIV感染が起きた可能性についての連絡を受けたのは9月13日だ。だが、同件が公になり、具体的な捜査などが始まったのは、メディアが報じ、リオ州保健局が臓器移植に伴うHIV感染があったことを認めた11日からだった。
 保健省によると、最初に連絡を受けた時は臓器移植が原因かや犯罪性が明白ではなかったが、事態の深刻さを考慮し、リオ州移植センターや監視機関に緊急要請を送ったという。
 同省の緊急要請には、何が起きたのかを調査することや、臓器や組織を移植された患者を特定して通知すること、HIVウイルス発現を早期に検出するため、角膜を含む移植を受けた人の長期間にわたる厳格な臨床及び実験室モニタリングの実施などが含まれていたという。
 緊急要請が何らかの形で機能したことは、臓器移植で感染した患者の1人が11日の報道後に受けたインタビューで、3日に通達を受け、保健所に行って検査を受け、HIV感染が確認されたと語ったことでも分かる。だが、この患者は、当日は治療や投薬に関する指導は何もなく、29日に診察予約が入れられたが、11日にメディアが報じた途端、当局から連絡があり、診察が15日に変更されたと語った(14日付G1サイト(3)参照)。この証言は、事実関係を問われた州政府が、HIVに感染した患者達は医療面と精神面のケアを受けているはずと答えた言葉と一部矛盾している。
 この患者の証言が示すように、実際に事が動き始めたのは11日で、臓器提供者のサンプルを再検査してHIV感染が確認された時点でPCSは閉鎖された。また、PCS関係者の電話などの守秘義務が解除され、14日には家宅捜査命令や逮捕命令も出た。
 11日以降は、州保健局や市警なども参加した調査や捜査が進み、PCSは正規登録がされていなかったことや検査の質を落としていたことなども判明した(11日付CNNブラジルなど(4)(5)(6)(7)(8)参照)。
 HIV感染が臓器移植によるものであることが明白になったことで、ニジア・トリンダーデ保健相は11日、HIVに感染した患者や家族への全面的な支援と共に、臓器移植の安全性と効率性、国の移植システムの質を保証すると約束(11日付アジェンシア・ブラジル(9)参照)。12日付フォーリャ紙など(10)(11)(12)によると、12日には臓器移植の安全性を確保するための保健省令の見直しも発表された。同省は、臓器提供を受ける患者達への適切なケアと共に、検査機関の契約における不正行為を調査するための監査機関設置も決めている。
 リオ州保健局は15日に特別対策室を開設。臓器提供者への検査の入札を行うことや、当面は昨年の入札で2位だった研究所が検査を行うことも決まった(15日付アジェンシア・ブラジルなど(13)(14)参照)。
 16日には感染症の専門家が、臓器移植を受けた人は拒絶反応を防ぐための薬を継続的に使用する必要があり、HIVに感染した患者に対しても統一医療保健システム(SUS)でケアを行うことが可能と発言(16日付アジェンシア・ブラジル(15)参照)。患者の生活の質を向上させる医療の継続は、患者や医療関係者の信頼回復に不可欠だ。


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