UOLスクープ=「前大統領は襲撃事件に関与」=連邦検察庁長官が見解表明=ボルソナロ関連付けた初判断

連邦検察庁(PGR)のパウロ・ゴネ長官は17日、ボルソナロ前大統領は2023年1月8日の三権中枢施設襲撃事件に関する「不可欠な要素」との判断を行った。これにより、ボルソナロ氏が同事件の責任を法的に問われる可能性が浮上してきた。
UOLサイト(1)がスクープとして報じたのは、検察庁が最高裁に守秘事項として送ったものだ。これは、検察庁が襲撃事件とボルソナロ前大統領を関連付けた初めての判断として注目されている。
ゴネ長官はこの文書で、「これまでの捜査で集められた資料は、前大統領の側近たちによる組織的な犯罪行為が1月8日の暴力的なテロ行為発生に不可欠だったことを示している」と記している。
襲撃犯側の弁護団はこれまで、「国民が新しい選挙を求めて抗議活動を行うことは違法ではなく、前大統領は1月8日の襲撃事件とは無関係だ」と主張し続けてきた。
ゴネ長官はこの文書で、襲撃者たちに対して、2600万レアルの損害賠償を求めたいとも記している。
ゴネ長官の見解が出されたそもそものきっかけは、ボルソナロ前大統領が所属する自由党(PL)のヴァルデマール・コスタ党首が、ボルソナロ氏とのコンタクトをとることを禁じられたことなどを不服とし、最高裁に起こした訴訟に対する意見を求められたことだった。ヴァルデマール氏の弁護人は、連警がヴァルデマール氏の自宅を捜査した時に押収された5万3千レアルや高級時計3個の返還も求めていた。
だが、これらに対しても、ゴネ長官は反対の立場を示しているという。
ボルソナロ前大統領その他の政治家の三権中枢施設襲撃事件関与に関する嫌疑の捜査報告を、連邦警察は決選投票後にまとめる見込みだ。それを受けて起訴するか、新たな捜査を命じるのか、お蔵入りさせるのかの判断は、ゴネ長官が行うことになる。
連邦警察は既に、襲撃事件の数日後に逮捕されたアンデルソン・トレス元法相の自宅から発見された、選挙結果を変えうる条令の提案書(ミヌタ)をボルソナロ氏自身が大統領選挙後にマルコ・アントニオ・フレイレ・ゴメス陸軍総司令官(当時)やカルロス・デ・アルメイダ・バチスタ空軍司令官(当時)に提示し、拒否されたという証言を得たりしている。
ゴネ長官は昨年11月、ルーラ大統領が指名した。今回の同長官の見解は、前任のアウグスト・アラス氏がコロナウイルスの感染拡大に関する前大統領の責任を問う訴えなどをお蔵入りさせ続けていたのと比較すると、一転して厳しい立場をとったことで注目される。
今回のゴネ長官の見解に対する、ボルソナロ氏やヴァルデマール氏、弁護人たちからの見解は、まだ出されていない。