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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=62

2024年10月19日

 九月になればコーヒー農園の契約が終った入植者たちがやってくる。それまでに一応の受け入れ体制を整えなければならないから、先 発隊は目が回るほど忙しかった。米と豆と干肉だけを喰って働き続けていると、誰もが目がくぼんできた。
 運平が山に入りきりでは入植者との連絡がつかないので、彼は中継駅のバウル市に「平野植民地事務所」を開いた。イサノもグァタパラから事務所に移って来た。
 道路を地元のペドロという男に請負わせて、荷馬車が通れる道を目安に完成を急がせた。九月の半ばに路が出来ると、待ちかねていた入植者たちが移って来た。
 丘を越え谷を渡って荷車を押しながら辿りついた...

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