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中道政党=ルーラ政権に圧力増大=地方選挙で勢力増受け=「PTは降格圏」発言も

2024年10月30日

パジーリャ大統領府渉外室長官(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
パジーリャ大統領府渉外室長官(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 統一地方選の結果を受け、ルーラ政権に対し、中道勢力のセントロンからの圧力が強まっている。その一方で、連邦政府の政局調整(アルチクラソン)を担当する労働者党閣僚からそのことを憂う発言が出て、波紋を広げている。28日付フォーリャ紙(1)が報じている。
 市長選の決選投票は27日に終わり、一次投票も合わせた最終結果では、社会民主党(PSD)、民主運動(MDB)、進歩党(PP)、ウニオンという中道、中道右派政党が市長数で圧倒的優位に立っている。
 これらの政党はいずれも、ルーラ政権に閣僚を出すなど、同政権にとっても不可欠な存在となっているが、今回の市長選での勝利を受け、今後はさらに、ルーラ大統領に対する要求が高まっていくと見られている。
 その一方で、ルーラ政権の核となる労働者党(PT)を中心とする左派〜中道左派勢力の市長数が伸び悩んだ。PSDやMDBが800人以上の市長を輩出したのに対し、PTは市長数を増やしたものの、政党としては全体で9番目の252人に過ぎない上、州都に限れば、セアラー州フォルタレーザの1市しかない。
 こうした結果、今後連邦政府内で考えられるのは、中道政党の大臣数増加などの閣僚再編、議員割当金の問題の解決、アルチクラソンの担当者交代、経済政策に関する明確なポリシーの発表を急がせることなどがある。
 この矢先に、29日付ヴェージャ誌サイト(2)によれば、アルチクラソン担当者のアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官(PT)が行った発言が物議を醸している。同長官は28日、今回の選挙結果に関して、「PTは大統領選では優勝チームだ。しかし、市長選では2016年以降、Z4(サッカーの二部降格圏)から抜け出せずにいる」との発言を行った。
 この発言にPT党首のグレイシ・ホフマン下議は不快感を表明し、「もっと敬意を持った発言を」とパジーリャ氏をたしなめた。また、「本来の職務であるアルチクラソンに専念すべきだ」と苦言を呈している。
 グレイシ氏はパジーリャ氏が、ジルマ政権が大統領罷免で崩壊した2016年に言及したことに対し、「そのことを引きずってはならない。あれ以来、中道や右派が連邦議会で増え、それが市長選でも繰り返された。多くの党と共同で政権を運営するという代償を我々は払っている。だが、他党の気分を害し、国政のための努力を怠るのでは協力関係を前向きに変えていくことには繋がらない」との見解を示した。
 アルチクラソン担当者は連邦政府内や連邦議会内の中道勢力から強い批判を受けやすく、パジーリャ氏についてもかねてから交代を求める声が強い。一部の報道によると、これらの政党からは、港湾空港相を務めている42歳の若手閣僚シルヴィオ・コスタ・フィーリョ氏をアルチクラソン担当に抜擢することを求める声が出ているという。


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