サンパウロ州議会=学校携帯禁止法案を承認=授業や休み中の使用不可

サンパウロ州議会が学校での携帯電話使用を禁止する条例案を可決、承認し、知事の裁可待ちとなっている。12日付G1サイト(1)が報じている。
この条例案は、幼児教育、初等教育、中等教育といった基礎教育機関に適用される。携帯電話に限らず、インターネットに接続可能なすべての電子機器の使用を、公立、私立に関係なくすべての学校で禁止するというものだ。
これにより、携帯電話の使用が認められるのは、「デジタルを使った内容の授業を行うとき」「障害を持つ生徒が学習の必要上、電子機器を使う必要性があるとき」のみとなる。
生徒たちが携帯電話を学校に持ってくること自体は禁止されないが、学校に着いたら安全な場所に預け、授業や休み時間には使えないようにしなくてはならないとしている。
この法案はマリーナ・エロウ州議(レデ)をはじめとした41人の州議がまとめたもので、10月に州議会内の憲法司法委員会から内容の承認を得ていた。
「これは長年にわたる、教室での電子機器との戦いの現実を現している。こうした条例が存在することによって、私立と公立の学校の間にあった、電子機器対策にかける費用格差の是正にもつながるだろう」とエロウ州議は語っている。
サンパウロ州では、私立校のうちの7割が、学校での携帯電話の使用に厳しい規則を適用すべきであると考えていたというデータがある。携帯電話の使用に関しては、学校関係者の84%が「子供のメンタルヘルスに影響が出る」、66%が「授業中の注意力が削がれる」、同じく66%が「ネットを通じたいじめを助長する」と考えていることも分かっている。
これと同様の法案の審議は連邦議会でも進んでいる。下院教育委員会は10月30日に、私立、公立の別なく、基礎教育課程での授業中や休み時間の携帯電話の使用を禁じる法案を承認。今後は、憲法司法委員会での審議の後、本会議で審議することになる。
学校での携帯電話の使用は国際的な問題にもなっており、フランスやオランダ、中国などでは、法律の内容はそれぞれに異なるが禁止されている。