最高裁襲撃犯=SC州の自宅が火災に=元妻が自殺未遂の可能性

【既報関連】13日に最高裁襲撃を試みたが果たせず、ブラジリアの三権広場で乗用車を爆発させた後、自爆死した「チウ・フランサ」ことフランシスコ・ヴァンデルレイ・ルイス氏のサンタカタリーナ州の自宅が17日に火災で焼失した。元夫人が焼身自殺を試みた疑いが持たれている。同日付UOLサイト(1)などが報じている。
火災が発生したのは17日午前7時頃で、サンタカタリーナ州リオ・ド・スル市ブダグ区バロン・ド・リオ・ブランコ街にある50平米の一軒家が焼失した。そこは、チウ・フランサ氏が鍵職人として2019年に開いた店兼住居だった。
火災現場からはダイアネ・ジアス氏(41歳)が救助され、同地区にある救急病院に運ばれた後、入院している。ダイアネ氏は体に1〜3度の火傷を負っていた。
市警は現在、この件についての捜査を行っているが、ダイアネ氏が火災発生直前にガソリンを購入していたことが判明しており、家に残されていた何かを焼き払おうとして巻き込まれたか、自殺未遂に伴うものであるとの見方を強めている。ガソリンは焼けた家の近所で購入されたものだった。
ダイアネ氏は13日の襲撃事件後に連邦警察からの事情聴取に応じ、「彼はアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事を殺害したがっていた」と供述しており、この事件を苦にしての自殺ではないかとの推測がたてられている。
同様の証言は他の人たちからも上がっている。チウ・フランサ氏の友人たちは、2020年にリオ・ド・スル市市議選に自由党(PL)から出馬するなど、「政治に関わりだしてから急速に過激化していった」と証言しており、同氏の兄弟も「不幸のページを開くこととなってしまった」と語っている。
また、チウ・フランサ氏の若い頃からの知人でもあったジョルジェ・ゲッテン下議(共和者・RP)は、「離婚後に精神状態がおかしくなっていた」と語っている。
消防は30日間をかけて今回の火災についての捜査を行う意向だが、市警は、火災後に隣人が録画した、ダイアネ氏が不審な発言を行った動画の送付を受けている。それによると、ダイアネ氏はチウ・フランサ氏の襲撃計画は二人のもので、「自分も彼と共にいるはずだった」と語っており、共犯者である疑惑も浮上している。(2)
また、チウ・フランサ氏の生前最後のメッセージも公表されている。それは6日に米国大統領選に当選したドナルド・トランプ氏やロドリゴ・パシェコ上院議長、アルトゥール・リラ下院議長らに宛てたもので、トランプ氏へのメッセージには、「子供たちを愛するならFBIにマラジョー島を捜査させろ。この国には正義も連邦警察も存在しない。ここにいるのは無実の老人を逮捕するゲシュタポだけだ」と綴られていた。(3)