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ルーラ=議員割当金補完法を裁可=透明化、予算審議を再開

2024年11月27日

ルーラ大統領(©Fabio Rodrigues-Pozzebom/ Agência Brasil)
ルーラ大統領(©Fabio Rodrigues-Pozzebom/ Agência Brasil)

 ルーラ大統領は26日、議員割当金に関する新たな規定を定めた補完法を、拒否権を行使することなく裁可した。同法案は8月、フラヴィオ・ジノ最高裁判事が下した、透明性とトレーサビリティの基準が確立されるまで、全ての議員割当金の支払いを一時的に停止するという命令を受けたもので、上下両院で承認後、裁可待ちとなっていた。これにより、ジノ判事の判決に反発した議会側が停止させていた来年度予算案の審議が再開される見込みだと、同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
 議員割当金とは、議員が自分の選挙区に向けて配分する予算であり、一般的には公共事業や支援金に使われる。議員割当金は、政府が組み立て、議会が承認した予算の一部として計上されており、各議員の提案を基に配分される。しかし、これまではその配分の基準などが不透明で、特に、予算案審議時の報告官の裁量で支払われる、「秘密予算」と呼ばれる割当金は大きな問題が指摘されていた。 このため、どの議員が選挙区にいくらの予算を何の目的で割り振ったかなどが明確になるよう条件付けることを、ジノ判事は求める判決を出し、その結果として、この法案が作成された。
 議員たちは、連邦政府が連邦税収の減少を理由に、議員割当金の資金を凍結することを許可する条項を削除した。その代わり、資金の一時的な削減措置(コンティンジェンシー)は維持された。
 さらに、特に問題視されていた、議員が具体的な用途や金額を示さずに直接送金できる「PIX割当金」についても新たな規定が設けられた。今後は議員が資金の使用方法を説明しなければならず、未完了の公共事業や非常事態対応が優先されることになることが規定された。
 加えて、監査機関による監視が引き続き行われ、連邦会計検査院(TCU)が支出に対する事前審査を実施する。この新たな審査体制により、議員割当金の不正使用や無駄な支出を未然に防ぐ仕組みが強化されることになる。
 新法が裁可、発効となることで、連邦議会で停滞していた予算案審議が進展することが期待されている。予算審議は同法案の裁可を待っている間、足踏み状態にあった。
 ジノ判事は同法案裁可を受け、この件に関する報告書をまとめ、最高裁の大法廷での審理にかける予定だ。新法裁可により、議員割当金の使途の透明性が高まり、不正防止や効率的な資金配分が進められることが期待されているが、現時点では、ジノ判事が新たな決定を下す時期に関する具体的な期限は示されていない。


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