兵庫=次世代農業担う高校生8人が来伯=マリンガ市で農場視察など

兵庫県が実施する「兵庫県若手地域農業リーダー海外派遣」事業の第43回派遣団(鎌野正人団長)が20日、来伯した。派遣団は26日まで滞在し、サンパウロ州マリンガ市で農場視察などを行う。派遣団一行は到着日の20日に編集部を訪れ、活動に対する意気込みを語った。
同事業は県内農業の次世代を担う青年が国際的な視野を持てるよう、1978年に開始され、これまで570人以上が参加した。コロナ禍の影響により、2020年に休止され、今回は4年ぶりの再開となった。鎌野団長は「外国を知ることで、日本を知ることができる。派遣事業は青年たちがこれからの日本、兵庫の農業を考える上で、また自らの価値観を確立していく上で非常に有意義な体験になっています」とその意義を語り、ブラジル側の事業協力者への感謝を述べた。
派遣団一行は同事業に協力するマリンガ市の一般家庭に分宿ホームステイしながら、同市内での農場視察活動などを主に行う。ブラジル文化を知るため、サンパウロ市のブラジル日本移民史料館やイグアスの滝も訪れる。
今回の派遣団メンバーは、鎌野団長(淡路高校校長)、木村健一副団長(県立農業高校教諭)、廣瀬桜介さん(17歳、但馬高校)、林開理さん(17歳、同上)、新城裕大さん(16歳、県立農業高校)、須藤尚大さん(17歳、同上)、中島悠耀さん(17歳、同上)、藤原優花さん(16歳、同上)、小幡圭吾さん(18歳、播磨農業高校)、浅田悠花さん(17歳、同上)の10人。
高校卒業後、米作業に従事するという林さんは「兵庫県では今年、温暖化の影響でカメムシが大量発生し、農作物に被害が出ました。こうした問題は今後も発生する可能性が高いので、今回の農場視察ではブラジルのような暑い国ではどのような虫害対策が行われているかを学び、日本でどう活かせるかを考えたいと思っています」と意気込みを語った。