日系スポーツ文化拠点=コーペルコチアクラブ=苦難乗り越え1千家族が利用

清和友の会(中沢宏一会長)は11月23日、ツアー企画「第五回ブラジル日系社会遺産遺跡巡り」の一環で、コーペルコチアクラブ(新田博和理事長)を訪問した。コチア産業組合中央会が1942年に職員のために作ったスポーツクラブを原型とし、1994年のコチア産組解散後には借金のカタにとられ競売にかけられたが、会員がお金を出し合って競り買って82周年となった今も維持しているという。
新田理事長(74歳)は1962年に12歳で親に連れられて移住。コチア組合員の呼び寄せという形でジャカレーに入ったという繋がりでコーペルコチアにも入会した。コチア市とピニェイロスの中間点、サンパウロ市南西部に位置し、20万平米の広大な敷地を誇る。1千家族が会員で、利用者総数は4千人にも上り、日系人は9割近くになるという。
新田理事長は「コチア倒産で、その資産の一つとしてクラブは銀行に差し押さえられました。でも会員1千家族が10年間、お金を貯めて2007年の競売で、1千万レアルで競り落とした。その間、価値を上げないために一切改修工事をしなかった。人によっては会員権を一人で四つも買って貢献してくれた人もいた。皆の協力で我々の手に戻ったのです」とコチア解散後の苦難の歴史を語った。
田草川ソーロン評議員長(77歳、2世)も「コチアが倒産した時は本当に驚きました。でも皆で団結して金を集める運動をしました。その結果、今のクラブがあります」との歴史を誇らしげに語った。コチア産組で副理事長まで務めた内海アメリコさん(91歳、2世)も日焼けした顔を出し、「僕は今でも毎日ここでテニスをしているよ」と元気に笑った。

テニス、野球、サッカー、室内サッカー、バレー、卓球、ゲートボール、マレットゴルフ、空手、ビーチテニス、スケート、水泳、自転車などのスポーツが楽しめる。文化活動としてパッチワーク、生け花、油絵、織物、ギター、カラオケ、トランプ、麻雀、将棋、ドミノ、書道、墨絵などがあり、高齢者向けの活動、子供向きの太鼓、ボーイスカウトもある。
フェイジョアーダ会、運動会、コーペル祭り、コーペル・ショウイン、ビエナル・デ・アルチ、ハロウィーン、カーニバルなど多彩な行事も活発に行われる。
新田理事長は「新会員を歓迎します。だいたい一家族で月500レアルぐらい。最初の2カ月は無料で体験できます」と呼びかけた。活動詳細はサイト(https://www.clubecoopercotia.com.br/)で。住所(Av. Guilherme Fongaro, 351, CEP 05571-010 – Pq. Ipê - SP)。電話(11・3782・1227)
