サンパウロ州=タルシジオ知事が制服のカメラ装着擁護=警官の暴力急増で態度が変化
【既報関連】警官による暴力行為に関する報道が続くサンパウロ州で5日、タルシジオ知事が軍警の制服へのカメラ装着を擁護する発言を行い、注目を浴びている(5日付G1サイトなど(1)(2)参照)。
タルシジオ知事は2022年の選挙戦以来、軍警の制服へのカメラ装着に否定的な発言を繰り返しており、カ

メラの使用を再評価することを擁護。警官による死亡事故よりも犯罪者の致死性の方を心配しているとまで述べていた。また、1月には、カメラは国民生活に効果的なセキュリティを提供しておらず、新たな機材に投資するつもりはないとも述べた。
だが、軍警が市民を橋から投げ落としたり、令状もなく市民の家に入り込み、市民の首を締めあげたり、高齢女性に暴行してケガを負わせた上に手錠をかけて連行したりといった事件が相次ぎ、洗剤を盗もうとした青年が、私服警官から11発を浴びて死亡する事件も発生。1カ月足らずで警官2人が逮捕され、45人が停職または更迭される事態が生じた(6日付G1サイト(3)参照)。
現在のサンパウロ州は治安上の危機に直面しており、治安問題は同知事最大のミスとの評価まで出ている(4日付オ・グローボ(4)参照)
そんな中、同知事は5日と6日、従来の考えは自らの経験に基づいたもので誤っていたとし、「制服へのカメラ装着は社会と警官を守るための手段だと確信しており、プログラムを維持するだけでなく、拡大する」と約束した。
ただし、保安局長の人事に関しては、局長を変える気はないし、自分のチームを信頼していると述べている(5日付G1サイト(5)参照)。