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花嫁移民=桔梗会の忘年会に計26人=懐かしい思い出話に花咲かせる

2024年12月7日

参加者の皆さん
参加者の皆さん

 神奈川県茅ヶ崎市にあった財団法人国際女子研修センター(旧海外移住婦人ホーム、当時・小南美代子所長)で花嫁修業をして当地に嫁いできた人達で作るグループ「桔梗会」の忘年会が11月23日にサンパウロ市の東京農大会館で行なわれた。
 コロナ禍前はアルゼンチン、パラグアイ、国内でもアマゾン、サンタカタリーナ州やパラナ州からも大勢が集まって賑やかな忘年会が行われていたが、現在は会員が高齢化し、今回はわずか13人だった。当日は同伴者や援協ボランティア7人、研修生の参加もあり、計26人の賑やかな集まりとなった。
 まずは多田恵子会長(S9回生=研修センター時代の9回生の意)の挨拶で始まり、昨年までに亡くなった会員のために一分間の黙祷を捧げた。その後に全員の健康を祈って乾杯した。

最初に会長挨拶などが行われた時の様子
最初に会長挨拶などが行われた時の様子

 当日、小南ホームで鍛えた腕自慢の花嫁の手造り料理がテーブルいっぱいに並んだ。翌24日(日)には農大会館の近くで鮮魚売り場が四軒もある大きなフェイラが催される予定で、他州からの参加者は前日から農大に宿泊して朝のフェイラを歩くのを楽しみにしていた。
 ごぼう、蓮根、ほうれん草など、食材のほとんどが揃うサンパウロの生活が羨ましいと口をそろえて言う。昼食はその食材で作った料理を農大の台所で一緒に作り、小南ホームでの研修時代、「ジャガイモの皮を厚く剥き過ぎ」と小南先生に叱られた事など思い出話を語り合いながらの楽しいひとときを過ごした。
 平間花子さん(H18回生=婦人ホーム時代の18回生の意)は農大会館に一番近い所に住んでおり、毎年美味しいおでんを担当。今回は筑前煮、クリームコロッケなど主なメニューのほとんどを一人で引き受けた。
 大島純子さん(H12回生)は刺身担当。今回5キロのマグロ、サーモン、チラピアを購入。バラン(料理の仕切りに使われる葉)の代わりに、庭のコーヒーの葉を使うなど周りから「さすが」と称賛されていた。
 中村和江さんは得意の赤飯を持参。サンジョゼー市在住の佐藤美子さん(H、81歳)は娘を同伴、手作りの生姜の菓子、手編みの靴下を何足もビンゴの賞品にと持って来た。ミナス州在住の押川幸子さん(H11回生)は今年も夫の栄敏さんの運転する車で、無農薬人参、アズキ、大豆などを大量に持ってきた。
 サンタカタリーナ州から参加の二木和子さん(H13回生)は、娘がインドやネパールから種を持ってきたという珍しい花のお茶を差し入れた。トカンチンス州パルマスから夫婦でかけつけた岡谷加代子さん(H、81歳)は「この日の集まりを一年前から楽しみにしていた。娘が航空券の予約をしてくれていた」と満面の笑顔で語った。
 至って健康そのものの大島純子さん(80歳、ミナス州在住)は夫が他界したのをきっかけにサンパウロ市に転居、パライゾ区在住の娘と同居しながら、援協の福祉部で縫物のボランティア活動をしている。今回その仲間も桔梗会に招待しての賑やかな交流会となった。

手塩にかけて作ったご馳走に舌鼓
手塩にかけて作ったご馳走に舌鼓

 テーブルせましと並べられたごちそうを堪能した後は、ビンゴが始まり、11月生まれの誕生祝いのケーキで締めくくった。「また来年も会いましょう」とそれぞれが言葉を掛け合い、名残を惜しみながらの解散となった。二木和子さんは青首大根を旅行鞄につめ、付き添いの娘と共に「明日の朝に帰り着けばよい方だね」と言いながらバスターミナル行きのタクシーに乗り込んだ。
 半世紀も前に海を渡ってきた花嫁たちは、幾多の苦労の跡など微塵もみせず、知恵と工夫で人生を乗り切ってきた自信にあふれていた。底抜けに明るく、前向きな人生を送っている花嫁たちの忘年会の集いであった。
 出席者は次の通り。多田恵子(S9回生埼玉)、大島純子(H12回生神奈川)、北山良子(H2回生東京)、佐藤美子(H11回生神奈川)娘同伴、二木和子(H13回生東京)娘同伴、中村和江(H11回生東京)、岡谷加代子(H20回生山口)夫同伴、岡谷百代(S10回生秋田)息子同伴、岡谷公子(H26回生山形)、平間花子(H18回生新潟)、細井真由美(研修生母)、須郷クリスチナ淳(研修生)、7人の援協ボランティア、田中きよ(2世、95歳)、青柳トキエ(2世、92歳)、藤原よりこ(2世、90歳)、指宿キミヱ(2世、76歳)、浜田えつこ(75歳)、斎藤みつこ(2世、73歳)、加藤セツ子(2世、72歳)、敬称略)。最年長の田中きよさん(95歳)は今なお昔ながらの足踏みミシンで頑張っているという。


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