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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(71)

2024年12月13日

 「移民植民というものは、家康流の漸進主義でなければならない。悠々迫らず生を楽しみつつ、功を長期的視野で期すべきである。ただでさえ急ぎ過ぎる弊があるのに、こんな平仄の合わぬヨタはない」
 と批判している。
 三浦の説は、性急で無理な植民地づくりをして多数の犠牲者を出した事例が幾つもあったことを思えば、的を射ていた。前章で記した平野植民地の建設など、田付と同じ日本外務省の役人である松村貞雄(サンパウロ総領事)が煽ったのが強く影響していた。
 また同じ年頭所感の中で、田付は「移民はサンパウロ州以外にも、その発展地を求めよ、それは急務である」と記している。
 田付...

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