連邦議会=休会前のラストスパート=予算、歳出削減など山積

【既報関連】23日からの休暇入りを前に、連邦議会と連邦政府のやり取りが盛んになっている。連邦政府は停滞していた議員割当金を払い出し、議会側は連日、本会議を開催するという形で重要案件の審議・承認のためにラストスパートをかけていると16日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
22日は日曜日のため、実際の審議・承認は全て、今週中に行わなければならない。しかも、例年なら連邦予算基本法(LDO)と25年の年間予算法(LDA)だけで良い年の瀬に、税制改革や歳出削減パック関連の法案審議も重なり、例年以上に忙しい日程となっている。
今年は8月に、最高裁のフラヴィオ・ジノ判事が透明性の不足を理由に議員割当金の払い出しを停止する事態が発生。議会が対応法案を作り、駆け足承認したものをルーラ大統領もそのまま裁可したが、ジノ判事が新法令にも定められているとして、払い出しに条件を課したことなどで議会が反発。法案審議に応じない姿勢を見せたために審議開始が遅れた。
これを受け、連邦政府が10日夜、各省庁が透明性を保証する形で議員割当金を払い出すためのプラットフォームを開設。13日付フォーリャ紙(6)によると、13日未明の報道では17・6億レだった議員割当金の支払額は13日夜の時点では76億レに達し、歳出削減パック関連の法案審議に道がついた。
税制改革関連法案は、議員割当金の払い出しに関する問題を解決する間に上院が承認。承認案は下院の承認案に修正を加えているため、下院に差し戻されるものの、最終審議となる週の予定を大きく狂わせることもなく進展中だ。
他方、例年もぎりぎりまで長引く予算関連法案と歳出削減パック関連法案の審議は、ゆとりがあるとは言えない日程の中で進められる。
10日未明の緊急手術と12日の補助的医療処置の後、15日に退院許可を得たルーラ大統領は、15日の会見で税金増額に反対と発言(15日付G1サイト(7)参照)。16日にはサンパウロ市内の自宅でハダジ財相、ルイ・コスタ官房長官、アレッシャンドレ・パジーリャ渉外室長官と個別に会談した。3閣僚は会談後、歳出削減パック関連法案などに大幅な変更が加えられ、法案の効果が損なわれないよう、大統領が釘を刺したことなどに言及。渉外室長官は、税制改革法案は今週中、財政関連法案も年内に承認との見通しも語った(16日付アジェンシア・ブラジル(8)参照)。
なお、17日付G1サイト(9)によると、リラ下院議長は17日、税制改革規制プロジェクトと歳出削減パック関連の法案の一つの審議を行うと発表した。税制改革法案は16日の議題だったが、より多くの議員の出席を得るため、17日に審議が延期された。
他方、17日付G1サイト(10)によると、連邦政府は17日、軍関連の歳出削減策である年金受給開始年齢を55歳とする法案を提出。現行法では予備役への移行は35年間以上勤務後と定められているが、最低年齢の規定はない。
税制改革細則と歳出削減パックはいずれも財政に関係するため、それが決まらないと来年度予算が詰められない。中でも、歳出削減パックの内容不足と遅延は現在の通貨下落の主因とも言われ、インフレ要因ともなっている。ここで予算が決まらないと、次の議会開会(2月頭)、もしくはカーニバル明け(3月頭)まで政府運営に悪影響が出る可能性があるという。