タルシジオ「サンパウロ州知事再選目指す」=大統領選否定繰り返す=本人2030年出馬へ

今回の発言は15日報道のバンデイランテス局の番組「カナル・リーヴレ」の取材に応じた際にタルシジオ氏自身の口から飛び出したものだ。
そこでタルシジオ氏は「2028、29、30年と、サンパウロ州で行いたいことがある。これらのプロジェクトを州民に届けたい」ということを、、知事再選を目指したいとした。
この際、タルシジオ氏はボルソナロ氏についての質問も受けているが、ボルソナロ氏が右派のリーダーとして2026年の大統領選に出馬するとの見方を示した。「ボルソナロ氏は今もなお右派をまとめるリーダーで、現状で同氏以上の存在が見えない」と語った。ボルソナロ氏は現在、2030年まで被出馬権を剥奪されているが、そのことについて問われると同知事は「大統領選に出馬できないのならば、ボルソナロ氏が推薦する候補を支持したい」と答えている。
そして自身に関しては「中道右派を代表する候補として、サンパウロ州での選挙に臨みたい」との意向を語っている。
この発言は、ボルソナロ氏が2026年の大統領選に失格になるのを覚悟しての出馬を行う際、誰が副候補になるのかの議論が行われている最中に飛び出しものだ。それに関しては側近の間でさえ、エドゥアルド氏やフラヴィオ氏といったボルソナロ氏の息子を予想する勢力と、タルシジオ氏を予想する声に割れている。
数カ月前まで、ボルソナロ氏の後継候補はタルシジオ氏との見方が圧倒的だった。だが、その潮目が10月のサンパウロ市市長選で変わった。この選挙でタルシジオ氏は中道派のリカルド・ヌーネス氏(民主運動・MDB)をバックアップ氏、ボルソナロ氏の支持も取り付けた。だが、ボルソナロ氏の支持層はボルソナロ氏の路線に近い極右候補のパブロ・マルサル氏に多く投票。ボルソナロ派の反発を招いていた。
それ以前から、タルシジオ氏はサンパウロ州政府のスタッフに社会民主党(PSD)党首のジルベルト・カサビ氏を迎えて以降、セントロンへの接近が指摘されてもいた。10〜11月にはカサビ氏地震から「タルシジオ氏は私のプロジェクト」「彼は2030年の大統領有力候補」との発言も行われている。カサビ氏は連邦政府においてはルーラ氏を支持している。
一方で、エドゥアルド氏ら息子の名前がボルソナロ氏の服候補になった背景には11月の米国大統領選でドナルド・トランプ氏が当選し他ことがある。エドゥアルド氏はトランプ氏はじめ、米国の保守政治家とのパイプでも知られている。
ボルソナロ陣営にとって、大統領選での候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏の逮捕はかなりの打撃と考えており、連邦議会で恩赦法を成立させるか、トランプ氏を中心とした外圧の他に、ボルソナロ氏がクーデター捜査での有罪を逃れる術はないと見ていると報じられている。