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連邦議会=歳出削減PECを公布=25年度予算は来年審議

2024年12月21日

憲法改正第135・24号公布を宣言するパシェコ上院議長(前列中央)(© Lula Marques/ Agência Brasil)
憲法改正第135・24号公布を宣言するパシェコ上院議長(前列中央)(© Lula Marques/ Agência Brasil)

 連邦議会が20日午後、連邦政府の歳出削減のための財政政策を扱う憲法改正第135/24号を公布したと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。この改正法は、年末に期限切れとなる予定であった「連邦歳入の非結束化(Desvinculação de Receitas da União)」に関して、32年までの延長を決定した。これにより政府は、法律で基金や経費に連動する連邦税全体の20%という制限の範囲内で、予算執行をより柔軟に行える。 歳出削減のための憲法改正の交付は、政府が提出した歳出削減パック関連のPECが上下両院で承認されたことを意味する。PECは両院で承認後、大統領の裁可を受けずに公布され、発効するものだからだ。
 ただ、両院で承認されたことは、連邦政府が望んでいた形での憲法改正がなされたことは意味しない。両院が承認したPECは、公務員給与の上限や高齢者や障害者への継続的扶助給付金(BPC)の付与規定、給与ボーナス(アボノ・サラリアル)、最低賃金再調整政策、税制上の優遇措置の付与と拡大に関する制限など、財政均衡法と関連がある経費の増加を抑制するための各種の制限の変更を可能とする規定を含んでいる(20日付G1サイトなど(2)(3)(4)(5)参照)。
 このPECとそれに並行する形で提出された法案は、下院での審議で修正が加えられたことで歳出削減効果が削がれており、政府が当初期待していたほどの歳出削減はできない。
 だが、上院で修正を加えた法案は下院に差し戻して再審議される上、上院が加えた修正が反故にされる可能性があるため、上院は19、20日に行った法案審議では新たな修正を加えることを避け、下院が承認した法案を承認した。
 これは、18日のハダジ財相とパシェコ上院議長、ランドルフ・ロドリゲス両院政府リーダーらの会合でも確認されていた措置といえ(18日付G1サイトなど(6)(7)参照)、連邦議会が年末年始の休暇に入る23日を前に最低限必要な法案審議を終えたことになる。また、20日付G1サイトなど(8)(9)(10)によると、ロドリゲス上議は憲法改正の公布と合わせ、25年の年間予算案の審議と承認は年末年始の休暇が明けた25年2月に行われることを明言。パシェコ議長もそれを認めたが、ハダジ財相はこの判断に不満を覚えたとされている。
 年間予算案の審議と承認が当該年度に入ってから行われることは多々あり、正式に承認された予算を使用できるようになるまでは、当該予算の12分の1ずつを各月に使用できる経費として種々の活動を開始することになる。
 なお、歳出削減策のためのPECや法案が各種の修正を受け、歳出削減効果を削がれたことはハダジ財相も認めたが、同相はその影響をことさらに大きく取り上げることはせず、719億レと見込んでいた歳出削減効果は700億レ強に減少するとの見解と、年が明けたら、新たな歳出削減法案または条令を出す意向を明らかにしている(20日付G1サイトなど(11)(12)(13)参照)。
 市場は歳出削減効果の損失額は100~120億レに上る可能性があると見ており、今回承認されたPECや法案だけでは財政バランスをとることは無理と見ているが、議会が年内に法案審議を進めようとしたことや、中銀による介入を受け、19日のドルは一時、6・30レまで上がった後、6・12レに下がった。
 20日付G1サイトなど(14)(15)によると、ハダジ財相は20日、財政削減策についてのコミュニケーション上の問題もあり、ドル高騰が続いたとの見解を示し、為替レートや金利の不確実性、不安による機能不全が生じた場合、中銀は常に、市場の問題を解決するために行動をとる必要があると発言。
 この発言は、年末に異常なドル流出があったとするカンポス・ネット中銀総裁の発言と一致している。同総裁はこの異常な通貨流出を相殺するために介入を行ったとし、中銀がドルの目標を設定せず、市場の動きに応じた対応をするという方針を維持していることを示した。


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