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フェルナンダ・トーレス=ゴールデングローブ賞受賞=ブラジル映画界に歴史的快挙

2025年1月7日

フェルナンダ・トーレス(インスタグラム@goldenglobes)
フェルナンダ・トーレス(インスタグラム@goldenglobes)

 ハリウッドの主要な賞の一つである「ゴールデングローブ賞」の授賞式が5日に行われ、ブラジル人女優のフェルナンダ・トーレスがドラマ映画部門で最優秀女優賞を受賞した。ヴァルテル・サレス監督による映画『アインダ・エストウ・アキ』での演技が高く評価されたもので、この受賞により、彼女はブラジル出身俳優として初の受賞者となり、ブラジル映画界にとっても歴史的な快挙となったと6日付フォーリャ紙など(1)(2)(3)が報じた。
 同賞にノミネートされていたアンジェリーナ・ジョリー、ニコール・キッドマン、ケイト・ウィンスレットといった競合相手を抑えての受賞に、フェルナンダ自身も驚きを隠せず、受賞スピーチの第一声では感極まった様子で、「何も準備していませんでした。(ここに来られただけで)すでに十分幸せですから」と強調。彼女はこの栄誉を、25年前に同じくヴァルテル・サレス監督が手がけた『セントラル・ステーション』で同賞にノミネートされた俳優で、彼女の母親でもあるフェルナンダ・モンテネグロに捧げた。フェルナンダは、「母が25年前にここに立ったとき、私もその夢を見ていました。今、私はこの賞を母に捧げます」と語り、会場は感動に包まれた。
 また、『アインダ・エストウ・アキ』についても言及し、「私が演じたエウニセ・パイヴァが示したように、この映画は私たちに困難な時代を生き抜く方法を教えてくれるものです」と述べ、そのテーマが現在の社会的な状況にも通じることを示唆した。同作は、軍事独裁政権下で夫を失った女性、エウニセの物語を描いた実話で、原作者は彼女の息子マルセロ・ルーベンス・パイヴァ氏だ。フェルナンダはこの映画を通じて、社会的な変動や政治的な不安定さをテーマにした役柄を見事に演じ切った。
 この受賞に対し、欧米メディアも大きな反響を示した。英国のBBCニュースはフェルナンダの受賞を「自身も驚いた勝利」と伝え、ハリウッドの大物女優たちを抑えて受賞したことを彼女自身が「奇妙で信じ難い」と語ったと報じた。また、米国のバラエティ誌は、フェルナンダのゴールデングローブ賞受賞が今後の賞レースにおける地位を確固たるものにしたと強調し、オスカーの最優秀女優賞候補に向けて強い支持を得ることとなったとした。同作品も国際映画賞部門でも注目され、今後のオスカーの受賞者選定で重要な役割を果たすことが期待されている。
 『アインダ・エストウ・アキ』は、公開からすでに300万人以上の観客を集め、大ヒットを記録している。今回の受賞により、国際的な注目を集め、ブラジル映画としての評価をさらに高めることとなり、さらに観客動員数が伸びることが予想されている。
 同賞に初ノミネートされたブラジル人女優はソニア・ブラガで、1986年の『蜘蛛女のキス(O Beijo da Mulher-Aranha)』で助演女優賞、その後、89年の『パラドールにかかる月(Luar sobre Parador)』、95年の『バーニング・シーズン(Amazônia em Chamas)』でもノミネートされた。続いて、フェルナンダ・モンテネグロが『セントラル・ステーション』で99年で最優秀女優賞にノミネートされたが、ケイト・ブランシェットに敗れ、受賞には至らなかった。


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