航空宇宙関連の公社設立=技術開発強化を加速

ルーラ大統領は3日、航空宇宙プロジェクト開発を目的とする公社「アラダ(Alada)」設立を認める法案を裁可した。同公社は、国防省と関連が深い「NAVブラジル」の子会社で、航空交通管制、気象学、航空情報を網羅する航空航法サービスを提供する。今後、ブラジルの航空宇宙分野の技術開発が一層強化されることが期待されていると、6日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じた。アラダの設立に関する法案は、昨年11月に下院、12月に上院で承認された。
同公社設立の主な目的は、航空宇宙インフラと航行の経済的利用を探求し、航空宇宙プロジェクトや機器の開発に従事し、航空宇宙管制や関連分野のプロジェクトや活動を支援することだ。
アラダは設立後4年間、技術者や管理スタッフを臨時雇用することができる。また、初期運営に携わるために軍人や公務員を出向させることができ、この期間に将来的な成長に向けた基盤を築くことが見込まれている。
具体的な業務内容としては、衛星ネットワークの管理と運営、航空および宇宙航行技術の開発・商業化、航空宇宙機器の研究・認証などを行う。さらに、航空宇宙管制の改善を目的としたブラジル空軍司令部への支援や、知的財産の保護・管理も担当する。また、マラニョン州にあるアルカンタラ宇宙センター(CEA)などの施設でも活動を行うことができる。
大統領府安全保障室(GSI)が実施した市場調査では、国際的な航空宇宙企業がCEAに興味を示している可能性があることが判明。これには、イーロン・マスク氏のスペースXやジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンなどが含まれる。ブラジル空軍司令部の意図は、アラダを利用してCEAの利用を促進し、国際的な競争力強化を目指してロケット発射の頻度を増加させることだという。(3)
アラダの株式はNAVブラジルから連邦政府に無償譲渡され、連邦政府が直接的な支配権を持つことが可能となる。アラダに割り当てられる予算は公表されていないが、法律の一部には、ブラジル空軍司令部の利益に資するプロジェクトを実施するために航空基金の資金を活用することが明記されている。