フォーカス=インフレ予測5%に引き上げ=年末ドル6レ、金利15%へ

中銀が13日に発表した経済動向予測調査「フォーカス」によると、金融市場のアナリストらは25年の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想値を13週連続で引き上げており、平均値は5%に達した。また、年末のドル為替レートは1ドル=6レアルと予測。経済基本金利(Selic)は年末時点で15%に達するとの見方が強まっていると、13日付エスタード紙など(1)(2)が報じた。
25年のIPCAの予想値は、国家通貨審議会(CMN)が定めたインフレ目標の上限である4・50%を0・5%ポイント(PP)上回る数値であり、1カ月前に予測していた4・60%から引き上げられた。また、直近5営業日で更新された51件の予測値の平均は5・14%に達している。
また、26年の予測値の平均は4・03%から4・05%に、28年は3・50%から3・56%に、各々、上方修正された。一方、27年の予測は3・9%で安定している。
24年の年間インフレ率は目標上限の4・50%を上回る4・83%となり、中銀が目標を達成できなかったのは、1999年の目標制度開始以来、8回目となった。同行のガブリエル・ガリポロ総裁は、昨年の目標未達を経済成長や為替の減価、気候変動による影響の結果と説明している。同行の予測によれば、インフレは緩やかに低下するものの、第3四半期までは上限を上回る状態が続くと見られている。
一方、市場は25年末現在のSelicは15%に達すると予測。中銀の通貨政策委員会(COPOM)は昨年12月の会合で金利を年12・25%に引き上げた上、今年1月と3月にも各1PPの利上げを実施する予定のため、この時点で年14・25%に達し、年末には15%に達するとの見方が強まっている。また、26年末のSelicは1カ月前に予測した11%が12%、27年末は10・0%が10・25%に、各々、引き上げられたが、28年は10・0%に据え置かれた。
為替については、年末のドル為替レートは1ドル=6レと予想されている。これは1カ月前に予測した5・85レより0・15レ上昇している。26年は6レを維持する見通しだが、27年はやや減少し、5・82レになると予測されている。
25年の国内総生産(GDP)成長率は2・02%と予測されており、1カ月前に予測した2・01%とほぼ同水準で安定している。26年の成長予測は2・0%が1・80%に下方修正されたが、27年と28年の予測値は2・0%のままで安定している。
中銀は、今年からのインフレ目標は12カ月累積のインフレ率を基に連続的に評価される新しい制度に基づいて算定されるため、目標達成は可能と強調している。現在の目標は中央値が3%で、上下1・5PPの許容範囲が設定されている。もしIPCAがこの範囲を6カ月連続で超えた場合、中銀には説明責任が生じる。目標が達成できなかった場合、ハダジ財相はCMNに目標変更を提案できるが、その変更が実施されるまでには36カ月を要する。