ボルソナロ=米国渡航差し止めに異議申し立て=就任式には妻ミシェル氏が出席

ジャイール・ボルソナロ前大統領の弁護士は16日夜、最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事が下したボルソナロ氏の米国への渡航差し止め措置に異議を唱え、上訴を行った。弁護側は、判決が事実に即しておらず、法的根拠が不十分だと指摘し、再審を要求したと、同日付CNN(1)
が報じた。
ボルソナロ氏は、20日に行われるトランプ氏の大統領就任式に招待されており、米国への渡航のため、最高裁に旅券返還を要請していた。
弁護側は、ボルソナロ氏は過去に課された保釈条件を順守しており、今回の渡航もその範囲内だとして、リスクがないことを強調。さらに、モラエス判事が示した棄却理由に対しても反論した。
弁護側は、米国大統領就任式に招待された証拠として、ボルソナロ氏の三男エドゥアルド下議が受け取った招待メールを提出し、同判事が指摘した「正式に招待された証拠が示されていない」という点に反論。また、政治亡命の可能性についても反論し、ボルソナロ氏が23年12月のミレイ・アルゼンチン大統領就任式出席のために出国した事実を挙げて、保釈条件を完全に順守してきたと強調。同氏の米国渡航は「政治家としての正当な活動」であり、私的目的ではないと訴えている。
加えて、三権中枢施設襲撃事件への関与については、ボルソナロ氏は「刑法や司法決定に反対している訳ではなく、表現の自由の範囲内で意見を述べただけ」とし、これが逃亡意図を示すものではないと反論。弁護団は「今回の渡航要求は一時的なもので保釈措置の解除を求めるものではない」と再強調し、モラエス判事が追加条件を課した場合も従うことを明言した。
一方、ボルソナロ氏自身は同日、YouTubeチャンネル「ファロエステ・ア・ブラジレイラ」のインタビューで、妻のミシェル氏を代理として送り、長男フラヴィオ氏と三男エドゥアルド氏も出席することを明かした。(2)
前大統領は、「妻は18日朝、ブラジリア空港から米国に向けて出発する。トランプ大統領は私が出席できないことを残念がるだろう。最高裁の判断は納得できるものではない。私は犯罪者ではなく、この件はブラジルにとって望ましくない状況を生むだろう」と述べている。
なお、モラエス判事は17日、旅券差し押さえ継続と検察庁への異議申し立て送付を決めている。(3)