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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(87)

2025年1月18日

 長谷川は、五月二十四日の採決の折は、日本大使館から四〇万円の機密費を引き出し、前日に要所々々に配り、翌日の否決に自信を持っていた。
 が、その夜、米側が四〇万ドルをバラまき、一挙に逆転した。
 長谷川は「四〇万円と四〇万ドルの差だった」と、生涯悔しがっていたという。
 ちなみに、当時の為替は一ドルが三円三八銭前後であった。
 それにしても、全部で百数十万ドルとか、最後に纏めて四〇万ドルとか、相手側の買収資金の額まで判るというのは、余程の情報力だが、どうも、米側にとって極秘ということでもなかったらしい。
 参考になる事実がある。邦字紙の反米キャンペーンを米...

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