高知ファイティングドッグス野球指導で来伯=県人会歓迎会で交流深める=日系選手受け入れ「誇りに思う」

プロ野球独立リーグの高知ファイティングドッグス(KFD、北古味潤(きたこみ・じゅん)代表取締役)一行が、各地での野球教室実施などを目的に1月15日から31日までの約2週間にわたってブラジルとパラグアイを訪問した。18日午後6時半からはサンパウロ市ピニェイロス区にあるブラジル高知県人会(甲藤(かっとう)マリオ会長)の会館で歓迎会が行われ、KFD一行は県人会員との交流を深めていた。
今回、南米を訪問しているのは、KFDオーナーで学校法人・龍馬学園理事長の佐竹新市氏、北古味代表、南米担当で海外事業部の浅利章太氏、グローバルスタッフの敷島一美氏、元女子プロ野球選手の小西美加氏ら7人。一行は、ブラジル国内ではサンパウロ市をはじめ、クイアバ、リオ、マリンガの各地で野球教室を開催したほか、24日からはパラグアイのイグアス移住地で開催されたKFD杯U14(14歳以下)野球国際フレンドシップトーナメント大会にも参加した。
また、18日のブラジル高知県人会での歓迎会には、モジ・ダス・クルーゼス市出身で2018年にKFDで第1回野球指導者育成研修を受けた渡辺哲郎氏(37、3世)と、パウリスタ野球連盟元会長の沢里オリビオ氏らも出席した。
北古味代表の話によると、KFDでは18年からJICA事業の一環で南米の野球指導者育成研修を行っており、これまでに前述の渡辺氏を含めた約30人の指導者が育っているという。昨年、サンパウロ市で南米の野球指導者主導による第1回KFD杯U14野球国際フレンドシップトーナメント大会が開かれ、今年は第2回大会がパラグアイのイグアス移住地で開かれ、ブラジル、パラグアイ、ペルー、アルゼンチンの4カ国が参加している。
歓迎会に出席したKFDオーナーの佐竹氏は、自身が理事長を務める龍馬学園についても説明。1986年に専門学校として設立された同学園は、情報ビジネス・料理、デザイン・美容、看護福祉・スポーツなど計24学科がある高知県内の3校に現在、約1000人の生徒が在学し、南米からの2人を含めた留学生が120人いるという。今回で3回目の南米訪問となった佐竹氏は「南米からの留学生は今年の春から4人に増えますが、単なる海外からの留学生ではなく、日本人のルーツを持った人々を受け入れていることを誇りに思います」と龍馬学園理事長としての思いを述べ、KFDオーナーとしても南米からの野球指導員研修を今後も継続していく考えを表していた。

ブラジル高知県人会側からは、片山アルナルド前会長が県人会の歴史を説明した後、甲藤会長が歓迎のあいさつを行った。交流事業の大切さを強調する甲藤会長は、南米から龍馬学園への県費留学生派遣の可能性に興味を示していた。
その後、同県人会の広瀬マリオ相談役の音頭で乾杯が行われ、KFD一行は県人会員が用意した夕食を楽しみながら、記念品を交換するなど交流を深めた。