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コーヒー価格=28年ぶりの高値記録=気候変動と中国需要増で

2025年2月1日

コーヒーの値上がりはしばらく続く見込み(Foto:Ivy Aralia Nizar/unsplash)
コーヒーの値上がりはしばらく続く見込み(Foto:Ivy Aralia Nizar/unsplash)

 1月30日付CNNブラジルなど(1)(2)によると、気候変動や在庫減少が原因となり、コーヒーの国際価格が1997年の調査開始以来の最高値を記録。今年上半期まで高止まりする見込みだという。世界的なコーヒー消費は増加しており、特に中国を始めとするアジア諸国で需要が高まっている。
 同日、米インターコンチネンタル取引所(ICE)のアラビカ種コーヒーの先物取引は、極度の供給不足と、次期の収穫見通しに対する懸念から、1ポンドあたり3・7685ドルという史上最高値を付けた。この価格は、前年同時期の価格の2倍以上で、今年に入ってからだけで15%以上の上昇を示している。(3)
 世界最大のコーヒー生産国であるブラジルは、近年の大霜害や干ばつをはじめとする気候変動により、生産に大きなダメージを受けた。他方、アジア諸国を中心とする、コーヒーの世界的な消費増は依然として続いており、世界的な在庫減が起きている。
 国家配給公社(Conab)の予測によれば、2025年のブラジルのコーヒーの総生産量は、60キログラム袋換算で5180万袋に達する見込みだ。これは前年比で4・4%の減少を意味している。その内、アラビカ種の予想生産量は3470万袋で、前年比で12・4%減少する見込みだ。同公社では、花の開花時期における水不足や高温といった気候変動が影響し、生産減少を引き起こしていると説明した。
 コーヒー輸出業者審議会(Cecafe)によると、ブラジルは24年に5044万3千袋のコーヒーを輸出し、前年比で28・5%の増加を達成した。また、アラビカ種に限ると、全体の73・2%にあたる3694万袋を輸出し、輸出量の新記録を更新した。
 コーヒーの価格上昇は、ブラジルにとって一長一短だという。
 同審議会のマルシオ・フェレイラ会長は、ブラジル市場の動向は世界的な状況を反映しており、世界的に供給が制限されているのに伴い、価格が上昇していると説明。「ベトナムやインドネシアなどの大手生産国は、気候変動の影響で収穫量が減少した。世界的な消費は引き続き高水準を維持しているため、価格上昇は自然な流れであり、我々の輸出収入も増加した」と述べた。
 一方、コーヒー専門コンサルタントであるジル・バラバッチ氏は、価格上昇は農家に利益をもたらすが、生産者価格の上昇はコーヒーの加工・販売業界に負担をかけ、最終的には消費者へのコスト転嫁を余儀なくされると指摘している。
 「現在業界が扱っている在庫が消費されると、新たに仕入れる豆の価格がさらに高くなる可能性があり、さらなる価格上昇が生じ得る」と強調した。


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