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下馬評通りの両院新議長=下院は史上最年少モッタ=アルコルンブレ上院復帰

2025年2月4日

就任演説を行うモッタ下院議長(Bruno Spada/Camara Dos Deputados)
就任演説を行うモッタ下院議長(Bruno Spada/Camara Dos Deputados)

 連邦議会にとって新年度の仕事始めとなる1日、上院、下院で議長選挙が行われ、下院ではウゴ・モッタ氏(共和者・RP)、上院ではダヴィ・アルコルンブレ氏(ウニオン)が選ばれた。どちらもルーラ大統領の労働者党(PT)とボルソナロ前大統領の自由党(PL)の与野党最大勢力が指示した候補で、議長選では圧勝だった。

 下院では、モッタ氏が20政党中17党の支持を得て444票を獲得。決選投票を待たずに一次投票で当選した。次点はマルセロ・ヴァン・ハッテン氏(ノーヴォ)で32票を獲得。3位はパストール・エンリケ・ヴィエイラ氏(社会主義自由党・PSOL)の22票で、あと2票は白票だった。
 モッタ氏は1989年生まれの35歳で、下院議長としては史上最年少となる。だが、21歳の時に下議初当選を果たしており、現在、すでに4期目を務めている。同氏の地元はパライバ州で、アルトゥール・リラ前下院議長(進歩党・PP)のお膝元でもある。(1)
 モッタ氏所属のRPは中道勢力セントロン系の政党の中でも保守寄りであるため、PLをはじめとした保守系の政党の支持を集めやすかったが、モッタ氏自身は民主運動(MDB)から政治キャリアを始めており、中道政治家との見方をされてきている。
 今回の選挙ではPTなどの左派政党もモッタ氏を支持している。それは、ルーラ大統領にモッタ氏を推薦したのが、予てからルーラ氏に好意的なRP党首のマルコス・ペレイラ下議だからでもあるが、モッタ氏は2023年からのルーラ政権発足以降、下院でのPT側の法案に対して91%の賛成を示していたというデータもある。(2)
 加えて、上院でもアルコルンブレ氏(47歳)が全81票中、73票の圧倒的な票を得、決選投票を待たずしての当選を決めた。ボルソナロ前大統領の反対を押し切って出馬したマルコス・ポンテス氏(PL)は4票、エドゥアルド・ジロン氏(ノーヴォ)も4票という結果に終わった。
 アマパー州選出上議のアルコルンブレ氏は、ボルソナロ政権だった2019〜20年にすでに上院議長を務めており、ボルソナロ氏との関係が良好であることで知られていた。
 その一方、所属のウニオンがルーラ第3政権に大臣を提供する形で協力を行った際、アルコルンブレ氏も大臣選びに関与していた。
 モッタ下院新議長は就任挨拶で、アカデミー賞にノミネートされた反事政権的メッセージを持つ話題の映画にちなみ、「私たちはいつも伯国の側につき、権力の調和を求める。私たちはここにいる(アインダ・エスタモス・アキ)」と語った上に、1988年の伯国憲法制定に尽力したウリセス・ギマリャンエス氏の頃と同じように「憲法に責任を持ちたい」と語った。(3)
 方や、アルコルンブレ上院議長は、三権の調和を取ることを「挑戦」として受け止めるほど重大で難しいものと捉え、政治的には党派性に縛られず、独立した立場でいたいと語っている。(4)
 ルーラ大統領は両新議長の当選、就任をたたえ、「体制の調和が取れれば、国はさらに大きく成長するものだ」としてエールを送った。(5)また、3日には両議長や政局調整を行う閣僚たちとの合同会合を持ち、行政府と立法府の関係は良好であるとした上で、手を取り合って、ブラジルのために働くことを確認し合った。(6)


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