ラニーニャで降雨被害続々=広範に洪水や濁流、停電も

ラニーニャ現象により、サンパウロ州では午後になると落雷や降雹を伴う雨が降るという夏特有の現象が強く表れる一方、北東部でも死者が出るような豪雨が続き、各地で被害が相次いでいる。
サンパウロ市やサンパウロ大都市圏が強い雨に見舞われた6日は、サンパウロ市南部のカッポン・レドンドで24歳の青年が車ごと流される事件も起きた。車は7日未明、小川の中で水に浸かり、大破した状態で見つかったが、青年はまだ見つかっていない。(1)(2)
6日の場合、21時25分現在でサン市の11万8753戸を含む15万1846戸で停電が発生。サンベルナルド・ド・カンポでは大型小売店の天井が崩れるなど、家屋の被害も相当数出ている。(3)
強い雨は北東部でも猛威を振るった。特に被害が大きかったのはペルナンブコ州のレシフェ大都市圏で、少なくとも3市で24時間に200ミリを超える雨を見た。(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)
レシフェ大都市圏での雨は3日から続いており、5日から状況がさらに悪化。土砂崩れや濁流にのまれた人、倒木や強風で切れた電線が原因の感電死などで、6日夜までに、レシフェ市5人など計7人の死亡が確認された他、自宅を離れて退避する必要に駆られた人達も400人以上出ている。
北東部での雨の被害はパライバ州でも出ている。一例は州都ジョアン・ペッソアで、4日朝は集中豪雨で洪水が発生。交通網も混乱した。(13)
7日付G1サイト(14)によると、北東部での雨は7日以降、穏やかになり、海岸部を含む東部でも、強風や豪雨といった事態が回避される地域が出る見込みだが、パラー州やアマパー州では週末も相当量の雨が降ると見られている。
南部や南東部は寒冷前線通過前の高温も含めた高温の波が起きており、リオ・グランデ・ド・スル州などでは日中の気温が40度を超えた所が出ている。南部の高温は10日まで続く見込み。他方、南東部では週末は局所的な雨に止まり、日が射す所が増えるという。中西部では、マット・グロッソ州を中心に局所的な集中豪雨が起こり得るという。
なお、サンパウロ州では1月31日以降、強い雨のため、州の危機対策室が警報や警告を発する日が続いている
一例はサンパウロ市で、南部カッポン・レドンド地区ジャルジン・リジアの小さなスラム街(ファヴェリーニャ)ジェルザレンでは、雨で緩んだ地盤が崩れる可能性がある上、スラム内を流れる小川に沿い、水面から数メートルの高さにかけられた細い板の通路を使う必要があるため、雨の日や夜は特に、外出が難しくなる。雨が降ると家が崩れないかが心配で眠れなくなる人も多く、歩行困難もあって2カ月以上、家から出ていない女性もいる。
強い雨で道路や線路が冠水し、地下鉄の構内にも雨が流れ込むなどして、バスや鉄道といった公共交通機関が止まり、帰りの足を奪われた人達が何時間もかけて帰りついたとか、倒木で停電が発生、水道も止まったといった報告も連日のように届いている。(15)(16)