リオ11年ぶりに44度記録=サンパウロ市も35度、熱波24日まで

17日昼12時10分、リオ最西端のグアラチバ気象観測所では気温44度を記録した。過去この気温になったのは2014年で11年ぶりだ。(1)この高温は、南東部、中西部、北東部の一部を襲っている熱波によるもので、気圧の高い大気の塊が寒冷前線の進入を阻んだ結果、雨雲の形成が妨げられ、降水量が減少して高温が続いている。この熱波は今年3度目で、この異常高温は少なくとも24日まで続く見込み。その影響で複数の都市で今季の最高気温が更新される可能性が高いと18日付G1サイト(2)が報じている。
国立気象観測所(Inmet)の予測によれば、18日の最高気温はリオ市の42度が筆頭で、サンパウロ市、カンポ・グランデ市、ヴィトリア市、ベロ・オリゾンテ市、クイアバ市、ゴイアニア市などでも35度前後になる見込みだ。この異常高温は少なくとも24日まで続く見込みで、2月の月間平均を最大で7度上回る可能性がある。
専門家によると、ブラジル中央部では現在、「ヒートドーム現象」が発生しており、高気圧が特定の地域に長期間停滞することによって大気の下層が圧縮され、その空気が上昇しにくくなるため、冷却されることもなく地面付近に閉じ込められることで、異常な高温が引き起こされるという。
一方、南部では強い風や豪雨が予想されており、リオ・グランデ・ド・スル州やサンタカタリーナ州では既に大雨や激しい風の被害が報告されている。これは、ブラジル中央部で起きている大気圧のブロックにより、寒冷前線が南部に留まって雨雲が発生しやすくなるためだ。
また、北東部のセアラ州、ピアウイ州北部、マラニョン州北部、さらに北部のパラー州北部やアマパー州では、赤道付近に形成される低気圧の湿気帯である熱帯収束帯(ZCIT、英語ではITCZ)のため、局地的な豪雨や雷雨が発生する可能性がある。
17日付G1サイト(3)によると、この熱波が住民の健康を脅かしているとし、Inmetはリオ州、サンパウロ州、ミナス・ジェライス州、サンタカタリーナ州、パラナ州、マット・グロッソ・ド・スル州の6州に警報を発した。
リオ市では、40〜44度の気温が少なくとも3日間続くと予測される場合に発令される熱中症警報「レベル4(NC4)」が発令された。2024年6月に制定された警報システムでは、温度や湿度、熱への曝露時間も考慮し、5段階に分けた警報を出す。今回は同市初のレベル4発令で、熱波の強さや事態の深刻さを示している。(4)
また、サンパウロ州の海岸では、サンダルを履いていても「足が焼けるほど熱くて砂の上を歩けない」との声も上がっている。
この異常な高温に湿度が加わると、体感温度はさらに高くなるし、湿度の影響で汗の蒸発がうまくいかず、温度調節が難しくなる。スポーツ医学のファビオ・バチスタ医師は、「水分補給は計画的に行うべき。職場や寝室の近くに水筒を置いておき、夜間に水分補給したり、運動前に水分補給をしたりして、過剰な熱の影響を軽減しすることが大切だ」とアドバイスした。