中国がブラジル産牛肉の輸入停止=衛生基準不適合の3施設の品

中国の税関当局は3日、ブラジルの三つの食肉処理施設からの牛肉輸入を停止したことを発表した。この措置にはアルゼンチン、ウルグアイ、モンゴルの施設も含まれており、中国側はこれらの施設が所定の衛生要件を満たしていないと指摘している。これに対し、ブラジル牛肉産業協会(Abiec)は農務省と連携して中国当局との対話を進めており、国内の衛生管理の堅固な信頼性を強調し、問題の迅速な解決に向けて尽力していると、4日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じている。
中国税関総署(GACC)は、フリーザ社のミナス・ジェライス州ナヌケ工場、JBS社のゴイアス州モザルランジア工場、およびボンマート社のサンパウロ州プレジデンテ・プルデンテ工場を対象にリモート監査を実施。そこで衛生基準に関する不適合が確認されたことで、輸入停止措置を講じた。他にも、アルゼンチン2施設、ウルグアイ1施設、モンゴル1施設が対象となった。関係企業には既に通知が届いており、中国の衛生当局の要求に対応するための是正措置を講じている。
Abiecは声明で、その他の認可施設は通常通りに運営を続けており、ブラジル産牛肉の中国市場への輸出は順調に進んでいることを強調した。
ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイは中国への主要な牛肉供給国だ。世界最大の牛肉消費国であり、輸入国でもある中国は、国内市場で供給過剰が起き、牛肉価格が数年ぶりの最低水準に低下した。中国は2024年に、過去最高の287万トンの牛肉を輸入した。
この急激な輸入増加を受け、中国商務省は昨年末、輸入増加が国内経済や市場に与える影響についての調査を始めた。これにより、中国政府が輸入制限などの措置を講じる可能性があり、主要供給国の業界関係者は今年末発表予定の調査結果を注視している。