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1月8日関連裁判=フクス判事ら減刑に理解=恩赦法巡って意見の相違=下院で野党過半数で圧力

2025年4月12日

フクス判事(Carlos Moura/SCO/STF)
フクス判事(Carlos Moura/SCO/STF)

 1月8日三権中枢施設襲撃事件に関する恩赦法に関し、一部の判事が理解を示すような言動をとる一方で、厳格な態度を強める判事も出るなど、最高裁でも同法案をめぐって、意見の相違と対立が見られるようになり、注目されている。
 事の発端は3月下旬のルイス・フクス判事の言動にある。一つは、3月24日の1月8日事件の審理の際、最高裁前の「目隠し裁判の像」に口紅で落書きした美容師のデボラ・ロドリゲス・ドス・サントス被告に14年間の実刑を求めたアレッシャンドレ・デ・モラエス判事に対し、フクス判事が刑期見直しを求め、審理の延期を申し出た件だ。フクス判事が10日に審理再開を認めたため、同件の審理は4月25日~5月6日に行われる。(1)
 もう一つは、3月26日のクーデター計画疑惑に関する審理だ。フクス判事はこの時、ボルソナロ前大統領ら8人を被告とすることに賛成する投票を行いはしたものの、投票時の弁で「判事たちは暴力的な感情で判断しているのでは」との発言を行った。
 6日にサンパウロ市パウリスタ大通りで行われたボルソナロ前大統領が主催した恩赦法を求めるデモではデボラ被告がデモの象徴とされ、ミシェレ前大統領夫人がフクス判事を讃える演説まで行った。この時のミシェレ夫人の演説が、フクス判事と他の最高裁判事の間に亀裂を生じさせたと報じられている。(2)
 こうした空気の中、11日まで行われている1月8日事件の被告で軍本部前のキャンプに参加していたとされる17人の審理では、ボルソナロ前大統領が指名したカシオ・ヌーネス・マルケス判事とアンドレ・メンドンサ判事が10日に証拠不十分を理由に「免罪とする」に票を投じ、恩赦法を求める人たちを満足させている。
 だが、そうした恩赦法に歩み寄ったととれる態度に反発を示す判事もいる。ジウマール・メンデス判事は8日、「1月8日事件の審理は激しい感情の流れの中で行われたものではない」とフクス判事の発言を否定。また、フクス判事に関しても、「恩赦法を求める中でデボラ氏の減刑を求める運動に心を打たれたのかもしれないが、星の読み方を間違えてはいけない」と批判している。(3)
 また、報告官のモラエス判事も恩赦法の圧力に押される気配を見せていない。同判事は7日、米国の雑誌「ニューヨーカー」の取材に対し、ボルソナロ氏がクーデター疑惑の裁判で無罪になる可能性に関し、連邦警察が書類送検し、連邦検察庁も起訴すると決めたことに言及しつつも、「まだ何も始まっていないわけだからあり得なくはない」と答えた。
 だが、ボルソナロ氏の大統領選出馬に関しては、「2030年まではありえない。選挙高裁では2件で有罪となり、上告しても管轄は最高裁になるわけだから」と、恩赦法を成立させた上で被選挙権回復にこぎつけたいボルソナロ氏に釘を刺している。(4)
 恩赦法の審議に関しては、野党側が下院で緊急審議にかけるよう求める署名を下院議員の過半数の257人に迫る251人分集め、議題とするのに難色を示しているウゴ・モッタ下院議長にプレッシャーをかけている。
 ただ、10日付メトロポレスの報道によると、仮に恩赦法が連邦議会で承認されたとしても、最高裁が憲法違反を理由に反対に動く可能性が高いとの予測が出ているという。(5)


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