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サンパウロ州=結婚指輪狙う路上強盗急増=金価格高騰で1日22件も

2025年4月17日

マリリアさんは強盗犯に襲われ、抵抗した際に手を噛まれた(15日付G1サイトの記事の一部)
マリリアさんは強盗犯に襲われ、抵抗した際に手を噛まれた(15日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ州保安局(SSP-SP)のデータにより、同州では2025年1〜2月に指輪の強盗・窃盗被害が1333件起きており、1日あたり平均22個の指輪が盗まれたことが明らかになった。この数字は、前年同期に記録された851件と比べ、56%も増えていると15日付G1サイト(1)が報じた。
 2月には、オザスコ市の路上で医師のマリリア・デ・ゴドイ・ダルプラさん(67歳)が襲われ、強盗犯から蹴りを受け、指を噛まれるという暴行被害にも遭った。(2)翌3月には、サンパウロ市西部の路上での作業中に強盗犯から金品を要求された交通工学公社(CET)技術者のジョゼ・ドミンゴス・ダ・シルヴァさん(48歳)が、抵抗して揉み合いになった際、銃撃されて死亡した。(3)さらに、4月にはサンパウロ市西部ブタンタン地区で、女性が強盗被害に遭うのを目撃し、犯人の逃走を阻止しようと試みた設計士のジェフェルソン・ジアス・アギアルさん(43歳)が、犯人から銃弾3発を浴びて命を落とした。(4)
 いずれの事件においても、標的となったのは「結婚指輪」で、近年では犯罪者の標的としてその注目度が急激に高まっている。
 これは金の国際価格高騰を反映したもので、3月には金の国際価格が史上初めて1オンス(約31グラム)あたり3千米ドルに達した。価格高騰は、世界的な経済の不確実性の高まりと、関税戦争の影響で、貴金属に対する需要が高まった結果だという。
 年初2カ月間における強盗・窃盗の被害は1333件に上るが、このデータが示しているのは「被害届の件数」で、実際の被害件数ではない。1件の届出で複数の指輪が盗まれている可能性もあることや、届出が出ていない事件もあり得ることから、実際に盗まれた指輪の数はこの件数を上回る可能性が高い。
 被害件数の内、57%はサンパウロ市で起きたものだ。発生件数が多い上位10市中、サンパウロ市以外の7市はサンパウロ大都市圏にある。具体的には、サントアンドレ、オザスコ、タボアン・ダ・セラ、エンブ・ダス・アルテス、グアルーリョス、サンベルナルド・ド・カンポ、ジアデマだ。
 また、全体の9割に相当する事件は公共の場で発生しており、計1198件が確認されている。次いで、住宅内での被害が59件、駐車場での事件が13件となっている。
 時間帯別の発生傾向も明らかになっており、最も頻繁に事件が起きているのは午前中で462件。以下、午後409件、夜間315件、未明108件となっている。
 治安の専門家は、結婚指輪の高額化や金価格の高騰が続いている上、経済的不安が広がる局面でこの種の犯罪が顕著化していると分析。サンパウロ州における新たな犯罪傾向として浮上しつつあるという。
 SSP―SPはこの件に関し、「当該物品の闇市場に関与する犯罪組織の解体を目的とした捜査を継続しており、諜報活動を通じて加害者及び販売経路の特定を行っている」との声明を発表した。


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