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INSS 疑惑=巨額年金着服で捜査=高級車や不動産続々=租税回避地に隠匿か

2025年5月1日

カレッカ氏(Reproducao)
カレッカ氏(Reproducao)

 連邦警察は国立社会保障院(INSS)での63億レアルにも及ぶ着服疑惑に関し、主犯格の存在を明らかにし始めている。連警はロビイストや架空企業の社長による資金洗浄が疑われる高級車所有や多数の旅行などの痕跡を確認している。また、ボルソナロ政権時代の労働社会保障相も連警の捜査対象となっている。

 INSS疑惑の連警捜査で最も注目されているのは、「INSSのカレッカ(ハゲ頭)」との異名を持つロビイストのアントニオ・カルロス・カミロ・アントゥネス氏だ。
 カレッカ氏に関しては既に、INSSの理事の企業や親類に対して多額の賄賂を払っていたことが確認されている。G1サイトによると、その額は23、24年だけで930万レアルに及ぶ。関係したINSSの理事はルーラ政権のみならず、ボルソナロ政権の頃の人も含まれているという。
 連警は、サンパウロ市南部インジアノーポリスにある同氏の自宅から18万7千レアルの現金がつまった旅行カバンを押収。同氏がブラジリアのラーゴ・スルに所有する家でも、ポルシェやBMW、アウディ、スズキ、タイガー・トライアンフなどの高級車・高級バイクを押収した。
 また、同氏の不動産資産が2024年4月22日~7月16日に1430万レアル膨れ上がったことも確認済みだ。
 カレッカ氏は月収2万4458・23レアルと申告しているが、連警によると、カレッカ氏に関係する個人並びに法人は関連団体から直接・間接に5350万レアルを受け取っていたという。
 カレッカ氏は、退職者らへの年金や恩給から割り引かれた額の27・5%分を受け取っていた疑惑も持たれている。(1)(2)(3)(4)
 連警が注目しているもう一人はセシリア・ロドリゲス・モタ氏だ。彼女は架空企業の社長を務めており、年金受給者に対して詐欺行為を行っていた嫌疑を持たれている。
  セシリア氏は24年1月~11月に33回旅行しており、ドバイなどの国外渡航も含む。29日付CBNによれば、連邦警察は、マイアミやパナマなどの租税回避地に資金を運んだと疑っている。連警は、乗客1人あたり100レアル紙幣で約500万レアルを運べる計算になると推測。彼女が他の3人とドバイへ旅行した際、計31個の荷物を飛行機に預けた。彼女の旅行は、退職者給与からの不正な控除が急増した時期とちょうど同じ24年以降頻繁になったと連警は見ている。(5)
 また、ボルソナロ政権で労働社会保障相を務めたジョゼ・カルロス・オリヴェイラ氏も連警の捜査線上に浮上している。同氏は2022年3月に労働社会保障相に就任する前の2021年11月からINSSの院長を務めていた。
 連警によると、オリヴェイラ氏が経営していた企業の共同経営者(当時、現在は単独で経営)ジョゼ・ラウデノル氏は、今回の不正割引疑惑の捜査対象の全国家族農・農村家族企業家連盟(Conafer)のカルロス・フェレイラ・ロペス会長の側近シセロ・マルセリーノ氏を介して現金取引を行った後、オリヴェイラ氏と同氏の娘のヤスミン氏に対し、それぞれ43万2300レアルと5千レアルの支払いを行っていたことが判明しているという。(6)


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