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ルーラ=不入なメーデーを欠席=前夜に全国放送で言及=INSS問題と週6廃止

2025年5月3日

メーデー前夜の放送でのルーラ大統領(Frame/Gov.Br)
メーデー前夜の放送でのルーラ大統領(Frame/Gov.Br)

 ルーラ大統領(労働者党・PT)はメーデー前夜の4月30日、テレビとラジオを通じて全国放送を行った。大統領はそこで、このところ問題となっている国立社会保障院(INSS)のスキャンダルについて語った。また「週6日労働制(ジョルナーダ6×1)」の廃止の審議を始めたいとの意向も表明した。同日付CNNブラジル(1)が報じている。
 
 ルーラ大統領がINSSのスキャンダルについて公の場で語ったのは、この放送が最初だ。大統領は、「連邦政府は先週、連邦内部総合統制局(CGU)と連邦警察を通じて、2019年から続いていた退職者や年金受給者に対する犯罪組織を解体した」と語り、「総弁護庁(AGU)に対し、不正割引を行っていた団体に被害者への補償を義務付けるよう命じた」と語った。
 INSSスキャンダルでは、INSSと関連団体による違法割引で63億レアルの着服が起き、INSS院長や5人の委員の解任が行われたほか、犯罪への関与が疑われる人物たちが高級車や不動産を大量所有していたこと、1年間で33回にもわたる渡航を行っていたことなどが報じられていた。
 ルーラ氏はこの日、INSSの次期院長にジルベルト・ヴァレル・ジュニオル氏を指名した。同氏はAGUの捜査官で、以前はCGUの一員でもあった。今回の人選はルーラ氏によって決められたもので、本来は指名権のあるカルロス・ルピ社会保障相(PDT)の許可を取らずに行われた。(2)
 PDTはこの新INSS院長選出で不満を表明しており、同党党首であるルピ氏を社会保障相から解任するような事態が起きた場合には、連邦政府支持政党から離脱する可能性も示唆している。
 ルーラ大統領は、PTとPDTの長年の協力関係もあり、ルピ氏の解任には消極的だ。だが、連邦政府内部ではルピ氏の引責を強く求める声があり、アトラス社が行った世論調査では、国民の85・3%が大統領によるルピ氏の解任を求めているとの結果も出ている。(3)
 また、ルーラ氏はこの放送を通じて、週6日労働制を終わらせたいとの意向を表明。「伯国は社会のあらゆる層の声に耳を傾け、職業による生活と労働者の幸福のバランスをとるための一歩を進める政策を行うべき時を迎えている」と強調した。
 週6日労働制に関しては、今年2月に憲法改正法案(PEC)が下院で準備され始め、話題となっていたが、議案にするための署名は234人分しか集まっておらず、まだ審議するに至っていない。その理由は、現状での法案は週休3日を謳う「4×3」で提案されているために反対派が多く、このままでは承認されないだろうとの見方が強いためだ。(4)
 週休6日制の廃止は、メーデーに行われた中央労組(CUT)の毎年恒例の集会や、その他の労働組合が行った集会、抗議活動でも主題の一つとなっていた。
 なお、ルーラ大統領は今年のCUTの集会に参加しなかった。ルーラ氏がメーデーの集会を欠席するのは初めてだが、ルーラ氏が2023年に大統領に返り咲いて以降、メーデーの集会は人の不入りが目についている。(5)


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