中産階級向けMCMV開始=月収1万2千レまで対象拡大

5日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)によると、連邦貯蓄銀行(Caixa)は同日、連邦政府の持ち家政策「ミーニャ・カーザ・ミーニャ・ヴィダ(MCMV)」に新区分を導入し、世帯月収が1万2千レアル(約30万円)までの中間層を対象に不動産融資の提供を開始した。これにより融資対象が拡大され、従来の低所得層に加えて広範な層の国民が恩恵を受けられるようになる。
国内の不動産融資市場で約7割のシェアを占めるCaixaは、4月30日に国家通貨審議会(CMN)によってMCMVに関する変更が正式に規定されたことを受け、新区分の運用を開始できるようになった。
新区分「ファイシャ4(第4層)」は、年利10%の融資条件で最大420カ月(35年)の返済期間を提供し、最大50万レの不動産購入をサポートする。新築物件は最大80%まで融資を受けることができ、中古物件については南部や南東部では融資率が60%に制限され、それ以外の地域では80%となる。
新区分では、従来の勤続期間保障基金(FGTS)の利益や配当に加え、貯蓄口座への預金や不動産信用証券(LCI)への投資など、銀行自身が保有する資金を原資として融資が提供される。
同行は、MCMVの他の所得階層向け区分についても、融資条件の見直しを行った。この調整は4月15日にFGTS監督委員会によって承認され、同25日に都市省で正式に確認された。
新たな基準では「ファイシャ1」は月収2850レ以下の世帯を対象とし、物件価格の最大95%が政府による補助の対象となる。「ファイシャ2」は月収2850・01〜4700レまでの世帯を対象とし、最大5万5千レの補助金が支給され、低金利の融資が適用される。「ファイシャ3」は月収4700・01〜8600レまでの世帯を対象とし、補助金は提供されないものの融資条件が緩和されている。
特に「ファイシャ3」に関しては、国家通貨審議会(CMN)が、岩塩層下の油田開発によって得られた社会基金の活用を承認し、融資供給の拡充を図っている。この区分では最大35万レの不動産が融資対象となり、年利8・16%に加えて、比較的低水準で推移している参照金利(TR)が適用される。FGTSの加入者には0・5%ポイントの金利優遇措置があり、実質年利は7・66%となる。
ファイシャ1および2に該当する世帯も、FGTS監督委員会の承認により、ファイシャ3の条件で物件融資を受けることが可能。ただし、上位区分を選択した場合は政府の補助金を受けることはできず、ファイシャ3に準じた融資条件のみが適用される点に留意が必要だ。