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INSS新院長=被害者補償計画を来週発表へ=ルーラ督促、加害者資産凍結=06年から違法控除の例も

2025年5月7日

ヴァレル氏(CGU/Divulgacao)
ヴァレル氏(CGU/Divulgacao)

 国立社会保険院(INSS)のスキャンダル発覚後、4月30日より新院長に就任しているジルベルト・ヴァレル・ジュニオル氏は5日、年金の不正割引支払いに関しての被害者への賠償計画の発表を来週までに行いたいと発表した。5日付G1サイト(1)が報じている。
 これはヴァレル院長が5日午前にグローボニュースのインタビューで語ったもの。同取材で院長はルーラ大統領が、連邦警察と連邦内部総合統制局(CGU)による捜査を迅速に進めるよう求めたことも明かにした。
 ヴァレル氏は「大統領が賠償をできるだけ早くや行うように命じている。現在、連邦政府内で調整を行っているところだ。そこで承認や合意が得られれば、最高裁、国家法務審議会(CNJ)、DPU(国家公選弁護人事務所)などと協議しながら、なるべく早く賠償を始めたい」と語っている。具体的な日にちは決まっていないが2週間以内との報道もある。
 ヴァレル氏は、現在は割引行為自体がすべて差し止められており、仮に今後、新たな割引が実施される場合、INSSは受給者の安全性の保護を強化する措置を講じるという。今回は本人の承諾なく、加入組合等の承諾だけで年金から勝手に割り引かれていたため、控除されたことに気づかなかった人も多かった。本人の承諾を必要条件とするための顔認証導入や、ジオロケーション(人物の地理的位置特定)などを取り入れる可能性があるという。
 今回の目的は被害者への賠償金を捜査対象となった組合等の団体から回収することにあると同院長は強調、「横領して裕福になった人々を探し、金を返してもらう。そこで支払いがカバーできないのであれば、その時は他に資金源を求める」と語っている。
 ヴァレル氏は、今回の割引不正の被害者は退職者や年金受給者など恒久的な給付を受けている人のみであり、傷病で休職中の人に関しては被害は避けられたとしている。
 INSSが4日に、公務員や架空企業に賄賂支払いなどを行ったとして連邦警察から捜査対象とされた法人に対して責任追及を行うべく、13件の訴訟手続きを行ったことも明らかにした。同院長は「資産凍結を行い、差し押さえた資産の売却や国庫への返還から、退職者や年金受給者が受けた損失の一部を補填できるようにしたい」と説明した。
 今回のスキャンダルの特徴は給付金から薄く広く横領することで、全国で410万人以上に被害が及んでいる可能性があり、被害総額は2019年から24年までで63億レアルに上っている。
 CNNブラジル(2)が5日に報じたCGUによる報告書によると、952人の被害を受けた受給者を調査したところ、71・1%が割引を承認する書類がないことが判明した。
 6日付G1サイト(3)によると、被害を受けた受給者の報告では、違法控除の最も古い例は2019年ではなく、はるか以前の2006年から行われていたものだと確認された。そのオジオン・ギマランエスさんは何度もINSSに苦情を申し立てても「consignação」(年金支払いローン)の名目で2008年6月まで控除され、「金額は常に年金の1%だった。その年の7月からは組合加入者拠出金(contribuição associativa)に変わった」と説明し、INSSと不正組合が長年口裏を合わせるなどの根の深い問題でことを思わせる証言をした。


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