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巧妙化するネット詐欺=母の日を狙う手口に注意

2025年5月8日

ブラジル銀行協会、オンライン詐欺への注意喚起を実施(© Marcelo Ca-margo/Agência Brasil)
ブラジル銀行協会、オンライン詐欺への注意喚起を実施(© Marcelo Ca-margo/Agência Brasil)

 今週末11日の母の日を前に、商業活動が盛り上がりを見せるなか、巧妙化する詐欺被害への警戒が呼びかけられている。ブラジル銀行協会(ABBC)はオンライン詐欺の典型的な手口を紹介し、安全に買い物をするための具体的な対策を提示している。6日付のアジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 母の日はクリスマスに次ぐ商戦期で、ダッタフォーリャの調べによると、今年は前年同期比で9・24%増の163億レアル(約4075億円)の消費が見込まれている。消費者の62%が母の日の贈り物を購入する意向を示しており、平均購入額は249レ(約6225円)と、昨年の229レ(約5725円)から8・7%の増加となる見通しだ。(2)
 ABBCは消費者に対してセキュリティ対策の重要性を呼びかけ、特にスマートフォン等の電子機器端末における二段階認証や、銀行アプリの保護機能、遠隔ロック設定の活用を推奨。不審な電話やメッセージにパスワードや個人情報を決してわたさないよう警告している。
 ABBCのレアンドロ・ヴィライン会長は「詐欺師は我々が気を緩める瞬間を狙っている。母の日という感情的な意味合いの強い時には特に注意が必要だ。たった一度のクリックが被害を招く」と警鐘を鳴らす。
 代表的な手口として挙げられるのは、プレゼント配達員を装った訪問型詐欺だ。衣料品店や化粧品店の関係者を装った詐欺師が被害者自宅を訪れ、品物の受け取りにあたって手数料の支払いを求めるというもの。支払い方法はカード決済に限定されており、視認しづらい端末を使い、不当に高額な金額を引き落とすケースがある。受取り確認と称して被害者にセルフィーを撮らせ、その画像を口座開設や送金などに悪用する事例も報告されている。
 偽ECサイトによるオンライン注文詐欺も急増している。有名ブランドのウェブサイトを模倣し、大幅割引で消費者を誘導。即時決済システムPixなどでの決済後、商品が届かないばかりか、個人情報が不正利用される事例も多発している。被害防止には、サイトの信頼性やセキュリティ証明書を確認し、正規URLからアクセスすることが重要。銀行振り込み証での支払い時には受取人情報を十分確認することが不可欠だ。
 銀行やクレジットカード会社などの金融機関の職員を装った電話で「不審な取引があった」などと不安を煽り、口座情報を聞き出す手口もある。金融機関が電話でパスワードやセキュリティコードを尋ねることはないため、不審な連絡には一切応じず正規の窓口に問い合わせるべきだ。
 SMS(ショートメッセージサービス)を使ったフィッシング詐欺も後を絶たない。「ポイント還元」「特別セール」「購入の確認」などの名目で偽サイトへ誘導し、個人情報やセルフィー画像の送信を求める手口が横行している。
 万が一被害に遭った場合は、速やかに銀行やカード会社の正規窓口に連絡し、警察にも被害届を提出する必要がある。端末の盗難や紛失時には、通信会社への通報と端末の完全ロックによって不正利用を防ぐことが求められる。


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