ヌーバンク=前中銀総裁がナンバー2に=ラ米最大ネット銀行が抜擢

ラ米最大のネット銀行「ヌーバンク」は6日、ブラジル中銀の前総裁ロベルト・カンポス・ネット氏が、7月から同社に参画することを正式に発表した。ネット氏は、取締役会副会長として経営陣ナンバー2に就任するほか、グローバル公共政策責任者として戦略的な役割も担う見通しだと同日付オエステ誌(1)(2)(3)などが報じた。
ネット氏は、連邦政府の独立機関を離れた元高官に義務づけられている6カ月間の法定待機期間を経てから就任する。ヌーバンクによれば、ネット氏はすでに大統領府の公衆倫理委員会(CEP)に対し、法的制限期間終了後に入社する意向を届け出ているという。
同氏は2019〜24年末に中銀総裁を務め、金融政策とマクロ経済運営を主導してきた。任期中、中銀の政府からの運営独立を初めて実現し、同時に金融技術の革新にも力を入れた。同氏のリーダーシップの下で、即時決済システムの「Pix」が導入され、オープンファイナンスやデジタル通貨「Drex」の進展もリードし、金融システム全体の統合を推進した。
ヌーバンクに入社後は、創業者で最高経営責任者(CEO)のダヴィ・ヴェレス氏の直属として、国際的な事業拡大、規制当局との関係構築、金融フォーラムへの参加、長期戦略に注力する予定だ。
同時に持株会社であるヌーホールディングスの取締役会メンバーにも就任し、非独立取締役として、企業の長期戦略立案などに深く関与する役割を担うとみられている。
報酬額は明らかにされていないが、上場企業であるヌーバンクは将来的に役員報酬を開示する義務がある。ブラジルの大手民間銀行では、CEOの年収が数千万レアル規模にのぼるケースもあり、注目が集まっている。