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下院=議席再配分法案を審議=18人増で財政負担に懸念も

2025年5月8日

連邦下院本会議場(© Vinicius Loures/Câmara dos Deputados)
連邦下院本会議場(© Vinicius Loures/Câmara dos Deputados)

 連邦下院は6日、議員定数を現行の513人から531人に増員する補足法案(PLP)177/2023の緊急審議入りを、賛成268票、反対199票で承認した。同法案は、各州の人口に比例した連邦議員の配分を見直すためのもの。最高裁が議会に対し、6月30日までに関連法を制定するよう命じたことを受けて提出されたと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 緊急審議の是非をめぐり、同一政党内で意見が分かれ、議員同士が対立する構図となった。法案立案者であるダニ・クーニャ下議(ウニオン)は、緊急審議の必要性について「本件は、立法府が自らの役割を果たすか、それを最高裁に委ねるかという問題であり、緊急審議の拒否は最高裁に白紙委任状を与えることを意味する」と述べ、期限内の可決が不可欠であるとの見解を示した。「今回の改正による議席の増加は、人口増加に伴う代表性の見直しであり、40年以上で人口が40%以上増加した州において3・5%の増員は控え目なものだ」と主張した。
 一方、同じくウニオン所属のキム・カタギリ下議は本法案に反対し、「これはこの議場で審議された中でも最悪の提案の一つだ。政府の説明は支出を伴わないとするが、実際には国民にとって現実的な財政負担を増すものである」と述べ、「本来是正されるべき憲法上の歪みが、むしろ拡大される」と批判した。
 本法案では、現在の513議席を下回る削減を禁じ、いかなる州も現行の議席数を失わないよう定めており、見直しは議員数の追加によってのみ行われる仕組みだ。ダミオン・フェリシアーノ下議(ウニオン)の報告によれば、パラ州とサンタカタリーナ州には各4議席、アマゾナス州、マット・グロッソ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州には各2議席、セアラー州、ゴイアス州、ミナス・ジェライス州、パラナ州には各1議席が追加され、計18議席の増員となる予定だ。
 予算への影響も懸念されており、下院事務局によると、議席数の増加に伴い、年間で約6460万レアル(約16億円)の財政負担が発生すると見積もられている。
 最高裁は議席配分にあたって2022年の国勢調査データを基礎とするよう定めているが、法案ではこのデータを地理統計院(IBGE)が作成し、連邦会計検査院(TCU)による監査の対象とすることを明記している。政党または州政府が異議申し立てを行うことが可能であり、TCUは受理後60日以内に審査を行う。TCUが国勢調査データを「信頼できない」と判断した場合には、当該データは議席配分の根拠とはされない。
 連邦下院議員が増えれば、それに比例して州議会議員や市議会議員が増え、その分、市民への財政負担が加算されるとの報道も出ている。


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