都市開発指数=約半数が低水準以下生活=北低南高で地域格差深刻

リオ州工業連盟(Firjan)が8日に発表した最新の「都市開発指数(IFDM)」によると、2023年に調査対象となったブラジル内の自治体のうち、47・3%が都市開発レベル「低度」「危機的」に分類され、約5700万人がそうした地域に居住していることが明らかになったと同日付のオ・グローボ紙など(1)(2)が報じた。
これら自治体では、保健や教育などの基本的公共サービスへのアクセスが不十分であり、正規雇用の創出や安定した所得確保も困難な状況にある。それが慢性的に続く自治体も多く、人口1千人あたり医師が1人にも満たない環境下で住民が生活を強いられているのが実情だという。
Firjanは全国5550の自治体を対象に「雇用と所得」「保健」「教育」の3分野の指標に基づき、IFDMを算出。スコアは0〜1の範囲で評価され、1に近いほど開発水準が高いとされ、0・6未満を記録した自治体は、開発が「低水準」「危機的」と分類される。同指標は国際連合開発計画(UNDP)が発表する人間開発指数(HDI)とは異なり、全日制教育へのアクセス状況、ワクチン接種率、1人当たりの国内総生産(GDP)、地域経済の多様性などの複数の要素を総合的に評価している。
この調査結果は地域間格差を浮き彫りにしている。北部および北東部の自治体の87%が「低度」「危機的」な開発状況にあるのに対し、南部、南東部や中西部では80%の自治体が「高度」または「中程度」の開発レベルにある。
少なくとも249の自治体が「危機的」レベルで、それらの地域では医師や資格を有する教員、正式雇用の機会が著しく不足。衛生環境の不備に起因する疾患による入院件数が他地域の20倍に達している。
最も低スコアを記録したのはアマゾナス州のイピシュナ(0・1485)で、次いでマラニョン州ジェニパポ・ドス・ヴィエイラス(0・1583)、ロライマ州ウイラムタ(0・1621)、アマゾナス州ジュタイ(0・1802)、アクレ州サンタローザ・ド・プルス(0・1806)、パラ州オエイラス・ド・パラが続いた。州単位ではアマパ州が最も深刻な状況にある。
一方で、サンパウロ州やパラナ州内陸部の都市では、過去10年間にわたり最も高いIFDMを記録続け、上位10自治体は全て両州に集中する。トップはサンパウロ州の観光都市アグアス・デ・サンペドロ(0・8932)で、サンカエターノ・ド・スル(0・8882)、パラナ州クリチバ(0・8855)が続いた。
過去10年間でIFDMは全体的に改善し、全国平均は2013年の0・4674から23年には0・6067へと29・8%上昇。この間、全自治体の99%にあたる5495自治体が指数を向上させた。13年当時は自治体の77・4%が「低度」「危機的」で、1億380万人がその地域に居住していた一方「高水準」にある自治体はわずか0・2%だった。