ルーラ=「我々には中国がある」=米誌で多国間主義訴え

ルーラ大統領は8日付の米誌「ニューヨーカー」のインタビュー記事で、米国の保護主義的政策が強まる中、中国を高度な技術力を有する重要な貿易相手国として称賛し、多国間主義の重要性を強調した。同日付ポデール360など(1)(2)が報じた。
ルーラ大統領は「神のおかげで我々には中国がある。中国は技術的に非常に進んでおり、人工知能の分野で世界と競争できる。我々にとって重要な選択肢だ」と述べ、中国の台頭を前向きに評価した。中国が米国や欧州に匹敵する生産力を持つに至ったことで「世界の敵」と見なされるようになったとの見方に言及した上で、「それは受け入れられない。第二の冷戦という考えも拒否する」と述べ、対立ではなく対話を重視すべきだとの立場を示した。
大統領は「技術的にも軍事的にも先進的な国々ほど、より多くの対話を行う必要がある」と述べた上で、多国間主義を「国家間が平和に共存するために築いた文明的な枠組みであり、全ての国が従うべきルールがある」との言葉で、米国の一国主義的姿勢を牽制した。
ルーラ氏は現在、第2次世界大戦の戦勝80周年記念式典に出席するために訪露中で、10日には中国を訪問する予定。ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)と中国の会合に出席するほか、習近平国家主席との二国間会談も予定されている。