空軍元総司令官=「3軍揃わなかった」=クーデター疑惑裁判で=連警での証言を追認

【既報関連】最高裁第1小法廷では21日も2022年大統領選後のクーデター計画疑惑の核心1の公判が続き、当時の空軍総司令官のカルロス・デ・アルメイダ・バチスタ・ジュニオル氏が証人喚問に応じた。証人喚問初日の19日に、トーンを弱めた証言を行ったオスカール・フレイレ・ゴメス元陸軍司令官とは対照的に、バチスタ氏はクーデターを目的とした会議があったことや、フレイレ・ゴメス元陸軍総司令官が、クーデターを起こした場合の前大統領逮捕の可能性を警告したことを明言した。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
バチスタ元空軍総司令官は2024年3月に連邦警察で受けた事情聴取で、22年12月にボルソナロ前大統領から大統領選の結果を変える条令の草案(ミヌタ)を見せられ、強く反対したと証言しており、連警側がクーデター計画疑惑捜査の証拠の一つにもしていた。
今回の証言でバチスタ氏は改めて、22年12月にセルジオ・ノゲイラ国防相(当時)と三軍の長が集まって行った会議に関して語っており、その中の幾つかの会議にはボルソナロ氏も参加していたと明言した。
ノゲイラ元国防相が非常事態に伴う例外的措置に関する文書を提示したのは12月14日の会議で、バチスタ氏はその時、「そこにルーラ大統領が就任しないことが記されているのか」と尋ねたという。また、ノゲイラ氏が黙ったため、「内容を理解した。受け取ることすら受け入れられない」と言ってその場を去ったと語った。(2)
バチスタ氏はさらに、フレイレ・ゴメス氏が前日の証人喚問で否定した、「これを実行すればあなたを逮捕しなければならなくなる」との言葉を、「言った」と明言した。
「フレイレ・ゴメス氏の昨日の証言内容は確認している。彼は教養のある礼儀正しい人なので、攻撃的な物言いは決してしない。だが、極めて落ち着いた口調ながらも、彼は確かにそう言った」とバチスタ氏は主張。同氏は、前日の発言の動画での様子から、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事が指摘したような「連警への証言との矛盾」は感じなかったという。
同氏は、フレイレ・ゴメス氏が前日の証言で、ガルニエル・サントス海軍総司令官(当時)が「ボルソナロ前大統領を支持すると言った言葉の真意は分からない」としたところに関しても、改めて、「クーデターに協力するという意味だ」との見解を述べた。
「ガルニエル氏は一連の会議の一つで、海軍をボルソナロ前大統領の指揮下に置くと語った」とし、「私は彼に対してこう言ったことがある。三軍の意思が揃わないことほど残念なことはないと」とバチスタ氏は語った。12月14日の会議では、バチスタ氏がその場を立ち去るまで、ガルニエル氏は黙ったままだったという。
バチスタ氏はクーデターが起きなかったのは「三軍の意向が揃わなかったからだ」とし、そこでも「ガルニエル氏だけが賛成した」と語った。ガルニエル氏は連邦検察庁からクーデター計画疑惑に関して最も重要な役割を果たした「核心1」で起訴され、最高裁から被告とされている。
バチスタ氏はクーデター計画に参加しなかったことで、自分や家族がプレッシャーにさらされたことも明らかにし、それを煽っていたのは大統領選でボルソナロ氏の副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏と極右ジャーナリストのパウロ・フィゲイレード氏だったと語っている。