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写真家サルガド氏死去=社会派写真で国際的存在に

2025年5月24日

サルガド氏(Valter Camargo/Agencia Brasil)
サルガド氏(Valter Camargo/Agencia Brasil)

 ブラジルが生んだ国際的な写真家、セバスチャン・サルガド氏が23日、パリで死去した。81歳だった。同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
 1944年にミナス・ジェライス州のヴァーレ・ド・リオ・ドーセ地区アイモレで生まれたサルガド氏は、軍事政権時代の1969年、妻と共に亡命し、パリに移住した。1971年から73年にかけて国際コーヒー機構の事務局長を務めた後、1973年にフォトジャーナリストとして独立。1974年にパリのシグマ社でプロの写真家としての活動を始めた。
 写真家として注目が集まり始めたのは翌75年にガンマ社に移籍してからで、そこで撮り始めたラテンアメリカの農民や先住民の記録により、世界的に名が知られるようになる。
 1979年にマグナム社の社長になり、94年までその職を務めた。妻と共にアマゾナス・イマジェンスを設立したのは94年だ。
 なお、その間も、82年に米国のユージン・スミス賞、85年にオランダのワールド・プレス賞、85年と92年にドイツのオスカー・バルナック賞、89年にスウェーデンのエルナ&ビクター・ハッセルブラッド賞、90年に米国の国際写真センター・フォト・ジャーナリズム賞を受賞している。
 写真に関する著作も多く、中でも、1996年に土地なし労働者運動(MTST)の歴史上最大の選挙の写真にポルトガル人のジョゼ・サラマーゴの文章とシコ・ブアルキが音楽をつけた「テラ」が有名だ。
 彼の人生については2014年に公開されたドキュメンタリー映画「地球へのラブレター」を通じ、日本など、世界的に知られることになった。
 サルガド氏の死に関する詳細は23日時点では明らかにされていないが、同氏は90年代にマラリアに罹患して以来、健康上の問題を抱えていた。24日には息子のロドリゴ氏がフランスのランスで建設した教会のステンド・グラスの除幕式に立会う予定だったという。
 同氏の死は世界的なニュースとなり、ブラジルからもルーラ大統領、ハダジ財相、ルイス・ロベルト・バローゾ最高裁長官から次々に弔意を表明。同氏が所属していたフランス美術アカデミーも「深い遺憾の意」を表明。マグナム・エージェンシーも彼の死を偲んで写真を公開しており、他の当局も偉大な写真家の死を悼んだ。


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