A型インフルエンザが流行=SARSでの死因の7割強

オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が、青少年や成人、高齢者の間でA型インフルエンザによる重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語ではSRAG)が増えており、SARSによる死者の72・5%はA型インフルエンザに感染していたと発表したと5月29日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
同日発表の速報によると、幼児を中心に影響を及ぼすRSウイルス(RSV)による入院患者数はサンパウロ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、連邦直轄区で減少し始めた。4歳以下児のSARSの入院者数増はRSVが主要因だが、4歳以下児と5~14歳児のSARSの症例増にはRSVとA型インフルエンザが影響。15歳以上の青少年と成人、高齢者のSARSはA型インフルエンザが原因だ。
SARS患者は22州で増えており、警戒レベル、リスクレベル、高リスクレベルに達している。
また、直近4週間のSARSの死者の72・5%はA型インフルエンザが原因で、B型インフルエンザ1・4%、RSV12・6%、ライノウイルス9・7%、新型コロナ5・9%と続く。A型インフルエンザによる死者は高齢者が多く、RSVによる死者は4歳以下児に多い。
サンパウロ市のSARS患者は5歳以上の全年齢層で増加。リオ市ではSARSによる死者が224人に達した。ベロ・オリゾンテ市の5月のSARS対応者数は8・7万人で史上最多を記録。リオ・グランデ・ド・スル州でもSARSによる入院患者が過去3年間で最多となった。リオ・グランデ・ド・ノルテ州では子供の入院者数の44%がSARSだという。(3)
保健省によると、予防接種キャンペーンの対象者で接種を終えた人は3割程度だ。Fiocruzも高齢者や子供、免疫能力が落ちる妊婦や臓器移植者などは予防接種を受けるよう勧めている。手洗いやマスク着用も感染予防効果がある。