我れ、生まれ出づる国を訪れる1=ポルト・アレグレ 杉村士朗
1998年10月、私は38年ぶりに母国を訪問した。
1960年の春、20才になった私は旅費の政府補助金を受けて、横浜港でオランダ貨客船に乗り、ケープタウン経由、ブラジルのサントス港にて下船した。
私の形式上の身分は、単身呼び寄せ農業移民であった。
それ以来、波乱ある人生をたどり、こんにち85才となった。
今なお青春時代の「世界の隅々を一人で放浪したい」との旅心を失っていない。
今回は、日航機で成田へ着いた。
東京へ向かわず、犬吠埼に第一夜の宿をとった。
日本の海が見たかったのである。
翌日、早起きして日の出を迎え秋晴れの下に広がる太...
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