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連警=前政権の監視対象者公表=政敵から身内まで広範に=公的機関の私的流用容疑

2025年7月10日

ボルソナロ氏のライブ放送(Reproducao)
ボルソナロ氏のライブ放送(Reproducao)

 連邦警察は18日、ボルソナロ前大統領の政権下で、公式の諜報機関であるブラジル情報庁(Abin)内に不法に設置されていたとれる非公式の諜報組織「並行Abin」が偵察を行っていた人物の具体的な名前や調査の結果を発表した。同日付CNNブラジル(1)が報じている。

 並行Abinが偵察していたのは、元下議のジャン・ウィリス氏やジョイセ・ハッセルマン氏、元下院議長のロドリゴ・マイア氏、元サンパウロ州知事のジョアン・ドリア氏、キム・カタギリ下議、ウィルソン・ヴィッツェル元リオ州知事といった、過去にボルソナロ氏との対立が報じられたことのある政治家をはじめ、パンデミックの両院調査委員会でボルソナロ氏に厳しい姿勢を見せた上議のオマール・アジス氏、ランドルフ・ロドリゲス氏、レナン・カリェイロス氏、左派政治家のパウロ・ピメンタ氏やオルランド・シルヴァ氏などだ。また、支持派と見られていた人たちの中でも、クラウジオ・カストロ・リオ州知事や下院の連邦政府リーダーだったリカルド・バロス氏の名前が含まれている。現大統領のルーラ氏やカルドーゾ元大統領の名も見られる。
 政治家以外では最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事やルイス・ロベルト・バローゾ長官、ボルソナロ氏と強い敵対関係にあったジャーナリストのレイナルド・アゼヴェド氏やヴェラ・マガリャンエス氏の名前もある。
 それぞれの対象者には偵察の目的も記されていた。その例として、ジョアン・ドリア氏は「公私での繋がり」、クラウジオ・カストロ氏は「すべての不正」、モラエス判事は、大前大統領長男フラヴィオ上議の州議時代のラシャジーニャ(給与のピンハネ)疑惑で逮捕されたボルソナロ家の元運転手ファブリシオ・ケイロス氏を逮捕した警察とのつながり、ルーラ氏は「反ボルソナロ会議を開いた疑惑」などとなっている。
 中には、ボルソナロ氏の二番目の元妻のアナ・クリスチーナ・ヴァレ氏や彼女との間に生まれた四男ジャイール・レナン氏に対する「名義登録された自動車について」なるものも含まれていた。(2)
 連邦警察の報告では、この並行Abinは「ボルソナロ前大統領を中心に組織されており、そこに次男カルロス氏が加わっている可能性がある」との結論を出している。連警によると、この組織は「戦略ガイドラインまで立てており、反対派、機関、選挙システムなどのテーマで標的を特定し、その活動から政治的利益を得る事を目的としていた」という。
 連邦警察はその一例として、ボルソナロ氏が恒例で行っていたネット上のライブの2021年8月4日の放送において、電子投票による選挙システムを批判し、投票結果の印刷付電子投票(ヴォット・インプレッソ)の導入を主張した際、この並行Abinが集めた資料が使われたとの指摘を行っている。(3)
 連邦警察はまた、同件の捜査でボルソナロ氏が書類送検の対象にならなかったのは、クーデター計画疑惑の捜査で同氏の書類送検を行った際、その理由に並行Abinの件を含んでいたためだとしている。(4)


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