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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(191)

2025年6月25日

 七人の留置を知った別の邦人が、友人の陸軍大尉(非日系)の同行を求め、その夜、署を訪れ、七人に面会、事情を聴いた。
 大尉は「自分の手で、明日にも釈放されるようにする」と約束してくれた。
 それを知った署側は慌てて、夜中の三時頃、同地の住人で親しい関係にある岡崎司三を呼んで「七人が脱走を企てた」という調書を作り、証人として署名させた。
 岡崎はツッパンの敗戦派の活動家であった。
 七人は上部機関のマリリア署へ移送された。
 何故移送されたのか?
 人が介入すれば、事は公(おおやけ)になる。国旗が絡んでいるだけに、何処まで大ごとになるか判らない。ために脱走...

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