サンパウロ州=モトタクシーは市が規制=知事が新たな条例を裁可

サンパウロ州のタルシジオ知事が24日、99やUberによるモトタクシーの営業の認可や規制作りは各市の責任とすることを定める条例を裁可し、州官報に掲載したと同日付G1サイト(1)が報じた。
新条例は11日にサンパウロ州議会が承認したもので、「各自治体は地域の利益と特性に基づき、バイクによる個人向け有料乗客輸送サービスを規制する権限を有す」と規定している。このサービスを認め、規制を定める場合、運転手はカテゴリーAの国家運転免許証と無犯罪証明書を提示する必要がある。
モトタクシーの営業の認可は既に、サンパウロ市で司法問題に発展し、禁止と許可が繰り返されていた。サンパウロ市ではヌネス市長が1月に安全上の理由でモトタクシーの営業を禁ずる市長令を出したが、これを不服とする業者が裁判所に訴え、市は規制権限を持つが禁止権限はないとの判決を得たこともある。だが、5月に出た判決二つはアプリを利用したバイクによる有料乗客輸送サービスを差し止めており、今回の条例裁可で判決が確定した。
ヌネス市長は声明で、「新条例はサンパウロ市が市内でのモトタクシーサービスを禁止するという方針を支持するもの」とし、「乗客の死亡事故により危険性が証明された輸送手段の提供を阻止すべく懸命に取り組んできた」と強調。「各自治体がバイクによる乗客輸送を許可するか否かを決められるという基本ルールを定めたことで命が救われる」とも述べた。
他方、ブラジル・モビリティ・テクノロジー協会は、「この条例は違憲で、州全体のモビリティ、収入創出、法的安全保障にとり、深刻な後退となる」とし、サンパウロ州では他州が認めているサービスの利用が禁止され、何百万人もの労働者と利用者が直接的な影響を受ける可能性があるとの見解を表明。サンパウロ州議会は議論を尽くしておらず、異例な時期の条例承認は数カ月に及ぶ市議会での議論を覆すものとも主張し、適用可能なあらゆる法的措置を検討していくと強調している。